Kiss xxx
〜Girl Friend ?



昼休み、お弁当を食べ終えた私は屋上に向かった。
授業が始まるまでの僅かな時間、ぼんやりと校庭を眺めて過ごすのが好きだから。
屋上の扉を開けると、校庭全部が見渡せる特等席に先客がいる。
「あ、ヅキ!」
「あら、ちゃんじゃない」
先客はクラスメートのヅキこと月岡彰クンだった。
ヅキは学校では知らない人はいない有名不良グループ、桐山ファミリーの一員で、いわゆるオカマちゃんだ。
桐山ファミリーの一員というだけで皆近寄らないようにしてるみたいだし、特に男子はヅキがオカマちゃんだから引いているみたいだけど、私は違った。
ヅキも屋上から校庭を眺めるのが好きみたいで、時々鉢合わせて少しずつ話をするうちに、私達はすっかり仲良くなってしまった。
私としては、女友達と話してるのと同じ感覚だし、ヘタしたら私やホントの女友達よりもずっと女らしくて、
結構物知りで話していてすごく楽しい。
私が屋上に毎日通うようになったのは、ヅキといろんな話をしたいから、という理由も半分くらいあるのかも。
「今日はヅキの方が早かったね」
「三村クンが校庭でバスケやるって言うから、慌ててご飯食べてきちゃったわ」
ヅキが視線を向けている方へ私も視線を向けると、三村クンが七原クン達とバスケをしているのが見えた。
「あぁん、やっぱり三村クンはカッコいいわーv」
「ヅキはホント、三村クンの事が好きだよねー」
「あら、ちゃんは三村クンはタイプじゃないの?」
「んー、遊び人はちょっとねー。ヅキには悪いけど、いろんな女の子と遊びで付き合うような人は嫌いなんだよね」
「人の好みはいろいろだもの。ちゃんが三村クンの事嫌いでも、それはしょうがないわ。じゃあ、どんな男の人がタイプなの?」
「好みのタイプ…うーん…やっぱ話が合って楽しい人かな」
「それ、アタシの事?」
「そうかも」
「アタシもちゃんみたいな女の子は好きよ」
「ありがと」
一旦会話が途切れて、私達は無言のまま校庭を眺めた。
しばらくしてヅキを見ると、唇にリップクリームを塗っている。
「あー…そういや私、今日リップ家に忘れてきちゃったんだよねー」
買ったばかりの、ストロベリーの香りのリップ。
家の机の上に置き去りにしてきてしまった。
「あら、そうなの? じゃあ…私ので良ければ使う?」
「え? いいの?」
「いいわよ、ちゃんならv」
「じゃあ貸して。朝から唇荒れちゃって」
「はい…あ、待って。塗ってあげる」
「自分で塗れるよぉ」
「いいからいいから…ね?」
ヅキは私の顎に手を軽く添えると、私の唇にリップを塗り始めた。
「何かこれ…ちょっとレズっぽいねぇ」
「そうねぇ…ウフフv はい、塗れたわよ」
「あ、ありがと」
次の瞬間、思いがけない事が起こった。
何と、ヅキが私にキスしてきたのだ。
チュッ、と軽くだけど。
ちゃんの唇があんまり可愛かったから、思わずキスしちゃったわ。ごめんなさいね」
「ううん、別に嫌じゃなかったし。もう、しょうがないな。ヅキはキス魔なんだから」
そう言って私はそっと指でヅキの唇に触れた。
「キス魔だから、油断してるとまたしちゃうわよ」
「どーぞ。ヅキ『お姉サマ』」
その後私達は顔を見合わせて、クスクスと笑った。

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何かギャグっぽい話になってしまいましたね(苦笑)
でも、実はこの話を一番最初に書いたんですよ。
何となくこのネタを思いついて、どうせなら桐山ファミリー全員分、キスをテーマにして書くか! と決めたのです。
ヅキの話は恋愛ドリと言うよりは友情ドリのつもりで書きました。
女友達同士でキスなんかしない! と突っ込まれそうですが(苦笑)
でも、ふざけてする人ってたまにいるよね? ね?
友情ドリと言うか…う〜ん、友達以上恋人未満って感じなのかな?
タイトルが「Girl Friend ?」なのは、「女友達より女らしい友達」という意味を込めて「?」を付けてみました。
リップとか口紅塗ってあげるのって、何かレズっぽいよね。(笑)




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