昼休み、お弁当を食べ終えた私は屋上に向かった。
お弁当の後のデザートに、持ってきたお菓子を屋上でこっそり食べるのが好きだから。
屋上の扉を開けて中に入り、給水塔の真下に腰を下ろし、お菓子の入った袋を開ける。
今日のお菓子はモアフラン。
チョコたっぷりで大好きなお菓子の一つだ。
「まーた菓子食ってんのかよ、」
封を開けてモアフランを一本頬張っていると、ちょうど真上から声が聞こえる。
顔を上げると、クラスメートの笹川竜平クンと目が合った。
竜平クンは学校で知らない人はいない有名な不良グループ、桐山ファミリーの一員だ。
よくクラスの赤松クンとか虐めてて、皆からの評判は良くなかったし、私も乱暴な人だなって思って避けてたし、
何より屋上でお菓子を食べて至福の時を過ごしていた私に
「そんな菓子ばっか食ってたらデブるぞ」
なんて言ってきたので、ハッキリ言って嫌いだったんだけど、毎日のように悪態つかれて私もそれに対抗している内に、
何と言うか…いつのまにか悪友状態になっていたのだ。
「よっ、と」
竜平クンは上から飛び下りてくると(梯子使えばいいのに…)、私の隣に腰を下ろした。
「またチョコかよ。最近チョコ続いてんじゃん。マジでデブるぞ」
「うるさいわね! 冬は冬期限定のチョコがたくさん出てて、あれもこれも食べたいの!」
「ふーん…俺、甘いモン嫌いだからその気持ち分かんねーなー」
「竜平クン、甘い物嫌いなんだー。ホレホレv」
私はモアフランを一本掴むと、竜平クンの顔の前にチラつかせる。
「わっ…止めろよー!」
「アハハ…何でそんなに嫌がるかなー。こんなに美味しいのに」
そう言って持っていた一本をパクッと頬張った。
うん、やっぱり美味しいv
「……そんなに美味いなら、俺もちょっと食ってみようかな」
至福の笑みを浮かべていた私をじーっと見つめていた竜平クンが突然言い出す。
さっきあんなに嫌がってたのに。
しょうがないな、一本恵んでやるか。
「あげる」
私は竜平クンの前にモアフランの箱を差し出した。
「それじゃなくて、こっち貰う」
竜平クンは何故か箱を持ってる私の手を押し退ける。
そして顔を近付けてきて、私が咥えていたモアフランの片端を口に咥えた。
えっ? 何? どういう事?
私がパニくっている間にも、竜平クンの顔はモアフランを食べながらどんどん近付いてきて…
「うわ、甘っ! お前よくこんなモン何本も食えるな…」
気が付くと、すぐ目の前で竜平クンが顔を顰めていた。
今…触れたよね。
唇と唇。
「ちょ、ちょっと! 今あんた何したの!?」
「うるさい。こんなモンは没収だ」
私の質問には答えずに、竜平クンは私の手からモアフランの箱を奪い取った。
「もう! 一体私に何の恨みがあんの!? いつもいつも絡んでくるしさー!!」
「絡んじゃ悪いかよ! 大体こんな甘いモンばっか食ってたら、キスする度に甘ったるくて困るじゃんか。返さねーよ!!」
えっ? キスする度って…
竜平クンを見ると、真っ赤になって俯いている。
これって…告白!?
「でも…がどうしてもって言うなら返してやるよ」
箱からモアフランを一本取り出して、チョコがついていない方を咥えた竜平クンは、片端を私の方に突き出した。
私はしばらく考えた後、そっとその片端を口に咥えた。
これが私の答え。
今度は二人でモアフランを食べながら顔を近付けていく。
タバコとチョコの混じり合った味は美味しくなかったけれど、竜平クンとなら毎日味わってもいいと思った。
+ + + + + +
何かもう…すっごいお約束でスミマセン(汗)
ポッキーキスなんてありがちなネタっぽいし…
充ドリの方でも書いたんですが、当初充のネタと竜平のネタは逆だったんですよ。
でも、充は甘い物好きそうだけど、竜平はすごい嫌いそうなイメージだったので変えました。
このドリ、暴露しますと書き上げた直後は主人公の苗字も名前も入ってなかったんです。
なので、ムリヤリ名前を入れました(苦笑)
他のドリに比べて名前をあまり呼んでもらえないのですが、上記の理由なんで…
文章自体も他のに比べたら短いよね…(汗)
よくよく考えてみたら、モアフランだとポッキーキスしずらいような気もするなぁ。
モアフランなのは思いっきり私の趣味です(苦笑)