10分間の幸福



最近ボスと一緒にいられる時間が少ない。
ここのところ毎日、習い事があると言ってさっさと家に帰ってしまうのだ。
つまらない。
そりゃボスにはボスの都合があるのは分かってるし、自分の生活が優先だって事も分かってる。
分かってるけど…
ボスにとって、俺達桐山ファミリーって何なのかなって…
俺って何なのかな…って考えてしまう。
何だか必要とされてないみたいですごく悲しい。
必要として欲しい。
こんな事願ってはいけないのかもしれないけど…好きって言って欲しい。
そんな事を考えている時、携帯が鳴った。
ボスからだ。
「今すぐ来て欲しい」
そう言われた。
俺は急いで言われた場所に向かった。
ボスは一人でぽつんと立っている。
「ボスー! お待たせ!!」
息を切らせながらも何とか言うと、ボスはじーっと俺を見て一言。
「帰ろうか」
そう言ったんだ。
何だか訳が分からない。
歩き出したボスを慌てて追う。
「ボス…あの」
「……ここから家まで10分程だが、充がそれでも良ければ」
俺の言葉を遮ってボスが話を続ける。
「もし良ければ、これからも迎えに来てくれないかな。そうすれば少しの間だけでも一緒にいられるだろう?」

ボスは相変わらず前を向いたまま歩いている。
ほんの10分程度の時間だけど。
それでもボスが俺を必要としてくれてるなら。
ボスと一緒にいられるなら。
俺はそれだけで嬉しい。
それだけで…幸せ。

+ + + + + +

景品スケブに各サークル1枚、何か書かなくてはいけない事はサークルチケットが来た時点で分かってたんです。
分かってたんですけど…当日までに何か書いておくのをすっかり忘れてました(苦笑)
スタッフさんが説明を始めた時に思い出して慌てましたね。
なので、前から書こうと思ってた沼桐ネタの簡易版として、その場で即行で書き上げました。
ホントにその場で考え始めて書き上げたものなので、文法ヘンなトコとかあるかもしれません。
スケブには、ノートの切れ端(一応カッターでキレイに切ったけど…)にペンで書いた物を貼り付けましたので、
当選した方は私のヘタレ文を手書きで読むハメになってしまったという訳です。
ちなみに、このネタはパターンを二つ考えてまして、一つはここに掲載した通り「これからお迎えして」オチ。
もう一つは、川原で一人拗ねている充の所にボスが来て、習い事に使う道具を壊して川に投げ捨て
「充と一緒にいる時間が減るくらいなら、習い事なんてどうでもいい」
というオチがあるんですが、後者の方だと長くなりそうだったので前者の方にしました。
前者の方も、ほんとはもっとちゃんと書きたかったのですが、何分時間が…
「ボスに相手にされなくて拗ねる充なんて充らしくない!」
と言われるかもしれませんが、ウチの充はこんな感じです。
好きな人には「必要として欲しい」「好きと言われたい」って、自分が思う方なんで、それが影響してるかと。
「無償の奉仕」でなく、見返りが欲しいと思ってしまうんですよ。
充も「自分がボスを好きな分、ボスにも自分を好きになって欲しい」って思いがあると思うので、相手にされないと拗ねちゃうのです。



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