祭囃子が聞こえる夜道を、は早足で歩いていた。
着慣れていない浴衣の所為でスピードが出せないのがもどかしかった。
はやる気持ちを抑えて、出来るだけ急いで待ち合わせ場所のコンビニへと向かう。
今日は近所の神社でお祭りがあるのだ。
本当はクラスの女友達と行こうと思っていたのだが、幼馴染みの充から一緒に行こうと誘われ、久し振りの充からの誘いが嬉しかったは二つ返事でOKしたのだ。
女友達と行くならわざわざ浴衣など着なかったのだが、小学校高学年の頃から何となく疎遠になっていた充が誘ってくれたので、急遽今年流行の低価格でお手軽な浴衣を購入してきた。
男の為に着飾りたい、なんて乙女心が自分にもまだあったんだな、と思いは苦笑した。
いつの頃からだろう。
は充の事を幼馴染みとしてではなく、一人の男として見る様になっていた。
充は小学校の頃から素行が悪かったし、今や町内でも有名な不良グループ、桐山ファミリーのNo.2だったが、本当はとても優しい人間だという事をは知っていた。
しかし、告白して今までの関係が壊れるのが怖くてその想いは胸に秘めたままでいるのだ。
「幼馴染み」という関係に甘えているのかもしれない。
中二になって、同級生や下級生の女子の間で充が結構人気があるという噂を耳にして焦ったは、この機会に少しでも充との仲を進展させる事が出来れば、と考えていた。
進展させる事が出来なくても、せめて昔のように仲良く出来れば…
そんな事を思い返している内に、待ち合わせ場所のコンビニが近付いてきた。
小走りでコンビニの入り口に近付くと、充は既に来ていて、祭りに向かう人の群れを見つめながらぼんやりとしていた。
充は普段着か甚平を着て来ると思っていたのだが、コンビニの前にいる充は浴衣姿で、いつもより大人っぽく見えて思わずドキッとしてしまう。
しばらくその姿に見蕩れてしまったが、我に返り慌てて充に駆け寄った。
「充、お待たせ」
ポン、と軽く肩を叩くと充はこちらを向き、少し驚いたような表情になる。
「俺もさっき来たトコだから。それにしても、が浴衣着て来るとは思わなかったから、一瞬誰だか分かんなかったよ」
「失礼ねー。私だってお祭りの時くらい浴衣着るもん。小さい頃二人でお祭り行った時も浴衣着てたでしょー?」
「そうだけど、それ何年前の話だよ」
が少し膨れているにも拘らず、充は思わず苦笑してしまう。
充に笑われ、は更に頬を膨らませた。
せっかく浴衣を着てきたのに、自分に浴衣は似合わないと言われているみたいで少し悲しかった。
「ごめんごめん、だって去年祭りで見かけた時、お前普段着だったからさ。今年もそうなのかと思って」
「えっ…」
去年自分が知らない間に充に見られていた事を知り、今年は特別に着飾ってきた事がバレやしないかとは言葉に詰まった。
「………浴衣、すげー似合ってるよ」
「あ、ありがと…」
充が頬を赤くしながらぼそっと言ったので、もつられて頬を染め、小声でお礼を言った。
「行こうか」
「うん」
何となく気恥ずかしい気分で、二人共無言のまま神社に向かった。
今日は何で誘ってくれたの?
いろいろ聞きたかったが、いざとなると言葉が出てこない。
そうこうしている内に、二人は神社に到着した。
「まずはお賽銭上げないとね」
「そうだな」
二人は境内に入ると、まずは手水舎で両手を洗い口をすすいだ。
友達と来た時はわざわざこんな事しないのだが、子供の頃充の両親と自分の両親に連れられて、お参りする時はこうするものだと教えられてから、充と二人で神社に来た時はまず両手を清めるのが習慣になってしまっていた。
柄杓を置いた後はご神前に向かう人達の列に並ぶ。
ちょうどピーク時に来てしまったようで、賽銭箱の前に辿り着くまで少し時間がかかってしまった。
自分達の番が来た二人は財布から五円玉を取り出し、賽銭箱に投げ入れる。
そして鈴を鳴らして両手を合わせ、神様にお願い事をする。
のお願い事は既に決まっていた。
幼馴染みの関係は卒業して、充と恋人になれますように…
お祈りの後、手をパン、パンと二回叩き隣にいる充を見ると、真剣な顔つきでまだお祈りをしていた。
しばらくして充も二回手を叩き、顔を上げて目を開く。
「あ、悪い。待たせちまった」
「ううん、気にしないで。それより、かなり気合い入れてたみたいだけど、何をお願いしたの?」
「お願い事は人に言ったら叶わなくなるから教えない」
「あ、そっかー。じゃ、私も教えない」
「お前のお願い事、叶うといいな」
「充のお願い事もね」
自分以外の女の子との恋愛祈願だったらどうしよう、と思いつつも、自分のお願い事が叶う事を望んでくれたのが嬉しかった。
「充、おみくじ引こうよ」
「え? あ、ああ…引こうか」
何故か頬を少し赤らめてぼーっとしている充に疑問を感じつつも、賽銭箱の脇にいた巫女さんにおみくじ料の五十円を渡し、番号の書かれた棒が入っている筒を手に取った。
二、三度振って逆さまにして、出てきた棒を見てみると、十七番と書かれていた。
「充、見て。十七番だってー。充の出席番号と同じだね」
はニコニコしながら棒を充に見せる。
「ホントだ。でも、お前クラス違うのによく俺の出席番号知ってたな」
「えっ!? あ、あの…この前クラスの電話番号知らない子に電話かける用事が出来ちゃって、名簿で調べてたらたまたま2-Bのページが目に入って、それで…」
本当は充の出席番号が知りたくて、二年になって学年名簿が渡されてから真っ先に調べたのだ。
しかし、いざとなると正直に言えず、思わず苦しい言い訳をしてしまった。
充が自分の嘘に気付いていないようなので、ホッと胸を撫で下ろす。
「俺は何番が出るかな…お、六番だ。ボスの出席番号と一緒だ」
「ボスって…桐山君の事?」
「そう。ボスの出席番号と同じだなんて縁起いいな。こりゃ、結果に期待出来そうだ」
もう一つあった筒を片手に充が二ッと笑う。
巫女さんに棒を渡して、それぞれの番号が書かれたおみくじを受け取る。
ドキドキしながら見てみると、大吉だった。
「やったー! 大吉だよ。願い事、近日中に叶うだろう、って書いてあるよー」
「俺も大吉だった。努力すれば叶うって。やっぱ努力しないとダメかー」
「充はがんばり屋さんだから、きっと大丈夫だよ」
「そうか?」
充はいつになく真剣な顔つきになっている。
「、俺の願い事…叶うと思うか?」
「うん、充が頑張れば、きっと叶うよ。私も応援するからさ」
「ああ…そうだよな。俺が頑張らなきゃ、何も変わんないよな…」
「充…どうしたの? 何かヘンだよ?」
急に何かを考え込むように黙ってしまった充に、がオロオロしながら声をかける。
「いや、何でもねぇよ。それよりお参りも済んだし、腹減ったから何か食いに行こうぜ」
「うん…」
充の態度が気になったが、何となく突っ込んではいけないような気がして、は何も言わずに充の後について行った。
「何食おうかなー。は何か食いたいモンある?」
「やっぱお祭りと言えばたこ焼きでしょ! あと、ラムネとあんずあめも!!」
「俺は焼きそば食いたいな。それといか焼き」
「二人で半分こすればいろいろ食べられるね」
「そうだな。目一杯食おうぜ!」
「うん!」
二人はお互い食べたい物を買って半分こしながら屋台巡りをした。
三品ほど食べ終えると喉が渇いてしまったので、ラムネを飲む事にした。
「、足疲れてないか? どっかで座って少し休もうか」
「そうだねー。ずっと立ちっぱなしだし」
屋台巡りをしている時は立ったまま買った物を食べていたので、少し足が痛くなってきている。
二人はラムネのビンを持って境内の奥にある小さなお社に向かった。
「誰もいないね」
「先客がいたらどうしようかと思ったけど、これならゆっくり出来そうだな」
石段に腰を下ろし、飲みかけのラムネに再び口をつけた。
『………ぁん』
「ん?」
「何?」
微かに人の声が聞こえ、二人は顔を見合わせた。
『…ふ…うぅ…』
黙って耳を澄ませていると、確かに人が呻いているような声が聞こえてくる。
奥の方に先客がいたのだろうか。
二人は目で合図し合うと、音を立てないように裏を覗きに行った。
『やっ…あっ、あ…ダメ…さっき誰かの声とか足音聞こえたよ…見られちゃうよぉ…』
『いいじゃないか。誰かに見られるの、好きなんだろう?』
『そんな事な…はぁっ…あぁぁ…』
「!?」
カップルの青姦現場を目撃してしまい、二人は思わず固まってしまう。
暗くて顔まではよく見えなかったが、女の喘ぎ声がやけにハッキリと聞こえた。
ちょうど性に興味を持ち始めたには刺激が強く、喘ぎ声が耳に入る度に体が熱くなるのを感じていた。
「…おい、」
濡れ場に見入ってしまっていたは、充に肩を軽く叩かれ、ようやく我に返った。
「場所、変えよう」
「そうだね」
充も突然の事で驚いたのか、その声は上擦っていた。
ラムネのビンを持ち直すと、二人は出来るだけ音を立てないようにしてその場を去った。
屋台のある所へ戻り、金魚すくいの近くに空いていたベンチを見付けてそこに腰を下ろす。
「…ごめんな。選んだ場所が悪かった…」
充は申し訳なさそうな表情でに謝った。
ワザとではなくても、あんな現場を見せてしまい、が不快に感じたのではないかと思ったのだ。
「充が悪いワケじゃないんだから謝らなくていいよー。ちょっとびっくりしただけだし。でも、お祭りの時に境内裏でエッチするカップルってホントにいるんだねー。マンガとか雑誌でよくあるネタだとは思ってたけど…」
「ああ、ちょっと油断した…でも、何か意外だな。ってああいうの嫌いかと思ってた。マンガとか雑誌って言ってたけど、そういうネタが載ってるような本読んでんの?」
「えっ!? いや、あの…友達がそういうの好きでよく買ってるんだけど、私も…その…興味ないって言ったら嘘になるし…だから時々見せて貰って…」
ごめん、謝るのは私の方だよ。
私、嘘つきだ。
友達が買ってるなんて嘘。
エッチな事にすっごい興味津々で、自分でこっそりそういう本買って読んでる。
買った本読んで、充の事考えながら…私…
さっきも、カップルがエッチしてるの見て、いつか私も充とあんな事…って考えて体が熱くなっちゃってる。
充が思ってる程、清純な女じゃないんだよ、私。
ごめんね、充。
私、本当はすっごく厭らしい子なんだよ…
罪悪感を感じつつも、本当の自分を知られる事が怖くては充に嘘をついた。
「そっか…いや、俺も興味ないって言ったら嘘になるし…友達からそういう本借りて読んだりしてるよ…って、俺何言ってんだろ、ごめん」
が焦っているのは照れているのだと勘違いした充は、の嘘には気付いていないようだった。
「そ、それよりさ、足の方はもう大丈夫か?」
「あ、うん。座って休んだら大分楽になったよ」
「それなら良かった。じゃあ、金魚すくいでもやるか?」
話題を変えたかったのだろう。
充はちょうど近くにあった金魚すくいの屋台を指差した。
「ううん、いい。ウチ、金魚鉢ないし、取ってもちゃんと面倒見れなさそうだから。それに、そういうの好きじゃないし…」
「あ、そうなんだ…ごめん」
話の流れを変えようとしていたのは分かっていたのに思わず素で答えてしまったは、充がバツの悪そうな顔をして下を向いてしまったのを見て胸が痛んだ。
「あ、別に怒ってるとかじゃなくて…その…充、『動物のお医者さん』って知ってる?」
「えっ? ああ、確かこの前ドラマ化されたマンガだろ? 俺はCMしか見た事ないから詳しい内容までは知らないけど、それがどうかしたのか?」
「私もマンガは読んだ事ないし、ドラマも家族が見てるのを横目で見てただけだから詳しくは知らないんだけど、チョビっていうシベリアンハスキーが出てくるじゃない?」
「ああ、前にマンガがヒットした時、ブームになったからな。知ってるよ」
「ブームになった時ね、シベリアンハスキー飼う人が続出したんだって。今だったらアイフルのCMがヒットしてチワワブームじゃない? でも、ブームで人気が出て飼われたペットって、後で飽きて捨てちゃったり、ちゃんと世話しない飼い主が多いんだって」
「そりゃ酷い話だな」
「でしょー!? 流行ってるから、とかテレビで見て可愛かったからってだけで、ちゃんと最後まで面倒見れないのに飼うのって人としてどーよって思うのよ、私は。金魚もそう。お祭りだからってその場の雰囲気で取って、面倒見れないからって帰りに袋を木の枝に引っ掛けて放置したり、酷い人になるとゴミ箱に捨てちゃうんだって。私、そういう事は絶対したくないし、持って帰っても道具とか揃ってないし、揃えるのもお金かかるし、飼うからにはちゃんと世話しなきゃって思うけど、そんな時間取れそうにないから、最初からやりたくないんだよね」
「いや、俺、女の子とか金魚すくい好きかなーって思って聞いただけだから。の事よく分かってなかったな、ごめんな」
「ううん、私も語っちゃってごめんね。でも、熱く語ってたら何か小腹空いちゃった。あんずあめでも食べに行こうよ」
「そうだな。俺も久々にソースせんべいでも食おうかな…よし、それじゃ行こうぜ!」
の熱弁が功を奏したのか、先程の気まずい雰囲気はすっかりなくなり、二人は甘い物を求めて立ち上がった。
ソースせんべいの屋台が少し混んでいたので、充が並んでいる間にはあんずあめを買いに行く事にした。
が買いに行ったあんずあめの屋台はジャンケン制で、勝つと三本、あいこで二本、負けると一本貰えるようになっている。
充の分も欲しかったはあいこになるように(3本は食べきれないので、勝ちよりあいこの方が都合が良かった)気合いを入れてグーを出した。
運良くあいこだったので、は自分の分のあんずと、充が子供の頃よく食べていたすももを選び、急いで充の元へと戻った。
ちょうど充もソースせんべいを買い終えていて、二人で隅の方へ移動する。
「はい、充。あいこで二本貰えたから、これ充にあげる。すももが好きだったよね?」
「おっ、サンキュー! 俺がすもも好きだってよく覚えてたな」
すももあめを差し出され、充は嬉しそうな顔をしてそれを受け取った。
「えっ…だって、小さい頃は毎年充と来てたから覚えちゃったんだもん」
またもせっかくのチャンスに素っ気ない返事をしてしまい、言い終えた後では自己嫌悪に陥る。
「そっか…俺も、ソースせんべいはの好きなミルク味にしてもらったぞ。ほら」
すももあめを咥え、持っていたソースせんべいの半分をの前に差し出す。
「あ、ありがと…あれ? でも、充は確かソースせんべいは梅ジャムが一番好きだったハズじゃ…」
「んー…今日はミルク味が食べたい気分だったんだよ」
顔を赤くしてソースせんべいをムリヤリ押し付けてくる充を見て、自分の為にミルク味にしてくれたのだと分かったは、素直にそれを受け取った。
しばらくの間、お互い無言で買ってきた物を口に運ぶ。
「すももあめ、久し振りに食ったけどやっぱ美味いなー」
「ソースせんべいも美味しいよ。こうやって二人で食べてると、子供の頃の事思い出すね」
「昔は毎年二人で祭りに来てたもんな」
「いつぐらいから別々になっちゃったんだっけ…」
「…四年か五年の時、いつもみたいに二人で祭りに行ったらクラスの友達にからかわれて、何となくそれっきりだったんだよな」
「あ…そうだったね。お祭りの後からあんまり話せなくなっちゃって、中学はクラス別々になっちゃったし、二人で会う機会なかったからね…」
「…あの時は、急に素っ気ない態度取ってごめん。あの頃、何か変なプライドみたいなの持っててさ。周りに冷やかされてから、女の子と仲良くするのはカッコ悪いとか思い込んじゃって、それで…」
「それは私もだよ。周りの目を気にして、本当は今まで通り仲良しでいたいって思ってたのに、充の傍にもいかないようにしてた。
最初は辛かったけど、何だかそれが当たり前みたいになってきて、それっきりにしちゃってた。だから、今日充がお祭り誘ってくれて、ホントに嬉しかったよ」
心の底から幸せそうに笑うを見て、充は胸が締め付けられるような気分になった。
つまらない意地を張らないで、もっと早くに声をかけていれば良かった。
そんな後悔の念に駆られる。
「俺も…がOKしてくれて嬉しかった。断られたらどうしようって、ずっと悩んでたんだ」
「そ、そうなんだ…」
充の一言で鼓動が急激に速くなり、顔が火照ってくる。
「ねぇ、充…私達、また昔みたいに仲良しになれるかな…」
いきなり恋人に、なんて高望みはしない。
まずは昔みたいに気軽に話せて、時々一緒に出かけたり出来る間柄に戻れればいい。
そんな想いを込めて、は充に問いかけた。
「………なれるよ」
「ホントに!?」
少し間があったのと、なれると言ってくれた事が信じられなくて、思わずもう一度尋ねてしまう。
「ホントだよ。また、と昔みたいに仲良くしたい」
に信用して貰う為か、充はの目をまっすぐに見つめながら、真剣な顔つきでそう言った。
「うん! 昔みたいにまた仲良くしようね!!」
「ああ…」
充とまた昔のように付き合える事になり、嬉しそうにあんずあめを頬張るとは対照的に、充はの前ではいつも通りに振舞っていたが、何か思い詰めているようだった。
二人があんずあめとソースせんべいを食べ終える頃には夜も更けて、境内にいる人々も疎らだった。
「、そろそろ帰ろうか」
「そうだね…あんまり遅くなると怒られちゃうし」
本当はもう少し充と一緒にいたかったのだが、また二人で出かける機会はこれからもあるだろうし、今日のところは素直に家に帰ろうと思い神社を後にした。
帰り道、何故か一言も話さなくなった充の事が気になったが、も黙って肩を並べて歩いた。
「なぁ、…」
大きな橋に差し掛かった時、充は急に立ち止まりの手を握った。
「な、何!? どうしたの? 充」
いきなり手を握られ、オロオロしながらが尋ねる。
「ちょっと寄り道していこうぜ」
「寄り道って? どこに?」
「いいから、黙ってついて来いよ」
の手を握ったまま、充は橋の脇にある小さな階段に向かって歩き始めた。
階段には小さな柵がついていて、川の方に下りられないように数字三桁のダイヤル錠がかけられていた。
充はダイヤル錠を手に取ると、まるで自分のロッカーの鍵でも開けるかのようにあっさりとそれのロックを外してしまう。
ダイヤル錠を開ける充を見ている内に、の頭の中に一つの記憶が甦った。
幼い頃、どうしても川の方に下りてみたくて、充と二人で何日もかけて一パターンずつ数字を揃えていって、鍵を開ける数字を
発見した日の記憶。
鍵が開けられるようになってからは、そこを二人の秘密基地にして、夕方まで入り浸っていたのだ。
「ここ、秘密基地でしょ?」
「おっ、よく覚えてたな」
「実は今思い出したんだけどね」
「何だよ、今まで忘れてたのかよ。俺はずっと覚えてたのに」
「ごめんごめん。でも、寄り道ってここの事? 今から秘密基地に行くの?」
「ああ。と久し振りに話したら、一緒に見に行きたくなって。嫌か?」
「ううん。私も久し振りに行きたい。時間ならまだ大丈夫だし」
「じゃあ、行こうぜ。俺達の秘密基地に」
柵を開け先にを行かせると、充は再び柵に鍵をかけての後を追った。
「何でわざわざ鍵かけてきたの? 帰りにまた開けなきゃいけないから面倒じゃない?」
「俺みたいな奴等が柵開いてんの見付けて入って来たら困るだろ?」
「そうだね…夜だからちょっと怖いし」
浴衣の裾に気を付けながら、どんどんと階段を下りていく。
階段を下りきると、橋の下の、外側から死角になっているところへと向かった。
橋の下は更に暗くなっていて何も見えなかった。
充は家の鍵と一緒に身に付けているキーホルダー式ミニライトを取り出し、の足元を照らしてあげた。
「用意いいねー。もしかして、最初からここに来るつもりでいたの?」
「いや、いつも持ち歩いてんだよ。便利だから」
「便利って何に?」
「えっ…それは…」
予想外の質問に言葉を詰まらせたが、がじーっとこちらを見つめているので、観念して口を開いた。
「内緒だぞ!? 酒屋とかタバコ屋に盗みに入る時…」
思っていた通り、充の言葉を聞いたはアホの子のようにポカーンと口を開けたまま充を見つめている。
「…最低な奴とか思っただろ。だからあんまし言いたくなかったんだよ」
「あ…ううん、最低な奴とは思わなかったよ。ちょっとビックリしただけ」
「ホントか?」
「うん。でもお店に盗みに入るなんて、いけない事だけど何かカッコいいねー。怪盗みたい」
「が考えてる程カッコいいモンじゃねーよ」
そう返事をして、ふと、しなやかに塀を乗り越え誰にも見付からないように目的の品を手に入れる桐山の事を思い出し、彼なら怪盗という言葉も似合うかもしれない、なんて考えてしまった。
黒いシルクハットとタキシードとマント、そして片眼鏡をかけた桐山が華麗に宙を舞っている姿を想像して、声を殺して笑ってしまう。
「止めろとは言わないけど、捕まんないように気を付けなよ?」
先を歩いているは充が笑っている事に気付かず、心配そうにぽつりと言った。
「大丈夫だよ。ボスが立てる盗みの計画は完璧だから。ボスが一緒になってから一度もパクられた事ないんだぜ」
「それならいいけど…」
二人の会話が途切れた時、ちょうど橋の真下に辿り着いた。
「そのライトだけじゃ、あんまりよく見えないねぇ…」
そう言いながら暗闇の中をキョロキョロ見回す。
「でも、懐かしいね。昔ここでよく遊んだよねー。楽しかったなー。ね?」
橋の下で充と遊んでいた頃の事を思い出しながら、は充の方に振り向いた。
そんなの肩を両手で掴み、無言のまま充はの体を背後のコンクリートの壁に押し付けた。
「やっ…ちょ、ちょっと! 何すんのよっ!!」
「………なの?」
「えっ?」
いきなり壁に押し付けられた衝撃で充の言葉が聞き取れず、は咄嗟に聞き返した。
「にとっては、俺って幼馴染みのままなの?」
今度はハッキリと聞き取れた。
しかし、突然の質問にパニックになり、意味を理解しようと必死に頭を働かせていると、充の表情が酷く悲しそうなものになった。
「さっき、昔みたいに仲良くしたいって言ってただろ? 俺達はこれからもずっと幼馴染みなのか? それ以上にはなれないのかよ…俺、の事が好きだ。の事、幼馴染みじゃなくて、一人の女として好きなんだ」
突然の告白に頭の中が真っ白になる。
まるで夢でも見ているかのようで、充の口から出た言葉がすぐに信じられなかった。
何か言わなくては、と気ばかり焦り上手く言葉が出て来ない。
沈黙を拒絶と受け止めたのか、充は淋しげな表情のままそっとから手を離した。
「…ごめん。いきなりこんな事言われても迷惑だよな。が俺の事幼馴染みとしか思ってないならそれでもいいから。これからも幼馴染みとして付き合おう」
「えっ…そんな、ちょっと待ってよ!!」
ようやく我に返ったは、慌てて充の胸に飛び込んだ。
上手く言葉が出てこないのがもどかしく、今まで気持ちを抑えていたのも手伝って、無意識の内に充の体をギュッと抱き締めていた。
「!?」
拒絶されたと思っていたのに急に抱きつかれ、充は困惑した表情を浮かべる。
「私も…私も充の事、好きだよ」
「えっ…」
「充が私の事そんな風に想っててくれてたって知って、びっくりして、でも嬉しくて…私、今夢見てるのかなぁって思っちゃった。それで、胸が苦しくなって何も言えなくなっちゃって…」
充の浴衣をギュッと握り締めて、少しずつ自分の想いを言葉にした。
「ホントに? も俺の事、幼馴染みとしてじゃなく男として…好きだって思ってくれてんの?」
「うん…充の事、ちゃんと一人の男として好きだよ」
「あ…良かったー!!」
満面の笑みを浮かべて、充もの体をギュッと抱き締めた。
「もう付き合ってるヤツとか、他に好きな男がいるかと思ってた…」
「そんなのいないよ」
「だってさ、、この前放課後にクラスの男子と二人きりで楽しそうに話してただろ。それ見て、俺何だか焦っちゃって…だから…」
「だから、今日お祭りに誘ってくれたの?」
「うん…の事、誰にも渡したくないって思った。ダメモトでも告白しようって決めたんだ」
「そっか…でも、あれは日直で遅くなっただけだよ。たまたまその前の日に出たマンガの話で盛り上がってただけ。単なるクラスメイトだよ」
「何だ、そうだったのか…」
「私だって…充は自覚ないかもしれないけど、女子の間で結構人気あるから、かなりヒヤヒヤしてたんだよ。だから、充から誘われた時、いきなり恋人だなんて高望みしないから、せめて昔みたいに仲良しの関係に戻れればって思って…」
「お互い勇気がなかったんだな」
「そうだね…」
言葉が途切れ、しばらくの間二人は無言で抱き合っていた。
やっと手に入れる事が出来た大切な物を、もう離さないようにと強く、優しく互いの体を抱き締めた。
充の胸、広くて硬くて逞しいな。
それにあったかい…
体が熱く火照り始めているのを感じながら、目を閉じてその初めて触れる充の胸に顔を埋める。
女の子の体って、こんなにちっちゃくて柔らかいんだ…
それに、何だかいい香りがする…
洗いたての髪から香るシャンプーの匂いが鼻を擽り、下腹部が熱くなるのを感じた。
の体の火照りを充が感じ取る事は出来なかったが、充の反応があまりにも顕著で、は内心冷や汗をかいていた。
困惑しつつも、自分の体に触れる男の部分を感じて、は妙な気分になってしまった。
「あの…充…」
「ん?」
「非常に言いにくいんだけど…」
「どうした?」
「……………当たってる」
「!?」
その一言で全てを察して、充は慌ててから離れた。
「あ、あの…俺…そんなつもりじゃ…」
最初から体目当てだったと勘違いされたらどうしようと、オロオロしながら言い訳する。
「こんなトコに来たのも、決して下心があってとかそんなんじゃなくて…」
告白するならここで、と前から決めていたので、エッチな事をしようという下心はない、という言葉に嘘はなかった。
「でも…あの…の髪、何かいい匂いがして…それでその…あーもう、俺何言ってんだろ…」
充が体目当てではないというのは始めから分かっていたが、何となく恥ずかしくて黙って充の言い訳を聞いていた。
しかし、自分も充と同じだという事をどうしても伝えたくて、勇気を出して告白してくれた充の為に今度は自分が勇気を出して充の手を取り、それを自分の胸にギュッと押し付けた。
「なっ…何してんだよ…」
「私の事、好きだと思ってくれてるから、そんなになっちゃったんでしょ?」
「う、うん…」
「だったら私、嬉しいよ。私に感じてくれたなら、凄く嬉しい…」
「…」
「それに、私だって充と同じだよ。充と抱き合ってた時、何か体熱くなっちゃって…さっきも…境内裏でエッチしてるカップル見ちゃった時も…いつか充とああいう事したいって考えちゃってた」
「俺も…」
「えっ?」
「俺もあの時、とエッチするトコ、ちょっと想像した…ごめん」
「謝る事ないよ…やっぱり好きならそういう事考えちゃうよ」
「うん…」
二人の間に再び沈黙が訪れる。
心臓がドクドクと脈打って、破裂してしまいそうな気分だった。
は決心すると、震える声で言った。
「充………して」
「で、でも…俺、ホントにそういうつもりは…」
本当は今すぐにでもと結ばれたいと思っていたが、先程告白したばかりでそんな事をするのはさすがに躊躇われた。
「私ね…何だかさっきから夢見てるみたいで、充が私を好きだって言ってくれた事、実感出来なくて…これが夢なんかじゃなくて現実なんだって実感したいの。だから…」
恥ずかしくて充の顔が見られず、俯いたまま哀願する。
暗くて充からは見えないが、きっと耳まで真っ赤になっているだろう。
それくらい顔全体が熱くなっていた。
「ホントにいいのか? …初めて、だよな? 初めてがこんなトコでもいいのか?」
「どこでするかが重要じゃなくて、誰とするかが重要なんだもん。私、充とだったらここでもいいよ」
「…」
その言葉が嬉しくて、充はを強く抱き締めた。
「俺も…だから反応しちまったし、今すぐここで一つになりたいって思った。初めてだから上手く出来ないかもしれないけど、が辛かったらいつでも止めるし、頑張るから」
「うん…」
恐る恐る顔を上げると、充の顔がさっきよりも近くにあってドキッとする。
充の顔がそのまま近付いて来て、温かく柔らかい何かが一瞬だけの唇に触れた。
の思考は一瞬停止したが、再び思考が動き出す前に先程の温かく柔らかい物が今度は深く強く触れてくる。
互いに目を閉じて、その熱と柔らかさを味わった。
初めて味わう、唇の驚く程の柔らかさとこれから始まる行為に胸がときめく。
角度を変えて何度か触れ合った後、充の舌が躊躇いがちにの唇を割り口内に侵入してくる。
その瞬間、は体をビクッと震わせたが、すぐにおずおずと充の舌に自分の舌を絡ませた。
生まれて初めてするキスの味は、先程食べたあんずあめと同じ甘い味がした。
舌と舌の擦れ合う音がやけに耳について、二人の期待と興奮は高まっていった。
「ふぅ…」
「…んっ」
少し息苦しく感じ始めたところで一旦唇を離す。
二人の唇を繋いでいた細い唾液の糸が闇の中でキラリと光り、すぐにプツリと切れた。
腰を抱いていた充の片手が胸元に移動してくる。
そのまま胸の形をなぞるようにゆっくりと動き始めた。
大きな手の平で撫で回され、の口から微かに吐息が漏れる。
もう片方の手も移動してきて、二つの手の平がの胸の上を這い回る。
「…浴衣、脱がせちゃってもいいのか? 着直せないからマズい?」
「あ…ううん、簡単に着れるヤツだからいいよ」
手の平が胸に触れる感触をまだ味わっていたくて、は背中に手を回し自分で帯を解いた。
解けた帯が手からスルッと地面に落ちる。
充はプレゼントの包みを開けるように、胸を高鳴らせながらそっとの浴衣の前を開いた。
はキュッと目を瞑り、体を硬くする。
目が慣れてきたのか、暗闇の中でも僅かだがの下着姿を見る事が出来た。
が身に付けている下着はピンクと白のチェックのワッフル素材で、胸元にはコットンフリルレースをあしらった可愛いデザインの物だった。
「可愛い下着付けてんだな」
「今日は、久し振りに充とお出掛けするから、特別にお気に入りの一番可愛いのにしたの。こういう事、期待してた訳じゃないけど、気分的に…」
下着を褒められると思っていなかったは、焦りながら言葉を返す。
「俺の為に、一番可愛い下着付けてきてくれてありがとな」
耳元で囁くように言われ、はそれだけで腰砕けになりそうだった。
顔を真っ赤にしているの頬に軽く唇で触れると、充はまた先程のように胸に触れてくる。
ワッフル素材のふわふわの感触が心地良い。
浴衣の上からでは分からなかったが、胸全体を撫で回している内にある一点が硬くなっているのに気付く。
その硬くなっている部分を指の腹でグリグリと弄ると、の体がビクッと震えた。
「ココ…硬くなってるぞ」
「うん…」
はそれ以上何も言わなかったが、自分に触れられる事でそれほど感じているのだという事が伝わってきた。
が硬くなった部分に触れられる度に反応を見せるのが可愛くて、そこを集中して愛撫した。
しばらく愛撫を続けている内に、下着の上からでは物足りず直接触れたくなっての背に手を回し、ブラジャーのホックを外そうとした。
しかしホックが見付からず、焦るあまり充は何度もの背に触れた。
「あ、今日の私のブラ、フロントホックなんだよ」
充がブラのホックを探している事に気付き、申し訳なさそうには言った。
「あ、そうなんだ…」
照れ笑いを浮かべつつ、気を取り直して胸元にあるホックを外そうとしたが、どうすれば外れるのか見当もつかず、充は固まってしまった。
充に外し方を説明しても、男にはイマイチ分かり辛いだろうと思い、は自分でささっとホックを外した。
しかし、そのまま自分からブラをずらして胸を見せるのは抵抗があったのか、はホックを外すとすぐに手を下げてしまう。
充はゴクッと唾を飲み込むと、ホックを外しても辛うじて胸を覆ったままになっているブラジャーを手に取り、そっと横にずらした。
の形のいい胸が充の前に露になる。
張り出した丸い果実のような胸にそっと触れる。
「すげー…柔らかい…」
初めて知る女性の胸の柔らかさに、充が感嘆の声を上げる。
撫で回すだけでは飽き足らず、遠慮がちに柔らかな肉塊を揉み始めた。
「あっ…ふ…ん…」
充の手の中で胸の形が変わる度にの口から掠れたような声が漏れる。
充は膝を折って地につけると、の胸の谷間に顔を埋めた。
「ホント柔らかいな…こうしてるだけで気持ちいい…」
目を閉じて膨らみに頬を擦り付け、その柔らかさを堪能した。
胸元に充の荒い鼻息や吐息がかかる度、の下腹部がじんじんと熱く疼く。
胸の先端の桜の蕾も硬度を増し、自己主張するかのようにピン、と尖っていた。
谷間から顔を上げると、充はその蕾にちゅ、と軽く口付けた。
そのまますぐに舌を出して、先端でチロチロと蕾を弄り始める。
「ひぁっ…や…あぁ…」
蕾を舌の上で転がすように愛撫され、は堪らず声を上げた。
自分でもこんな厭らしい声が出るなんて驚きだった。
この声が自分の耳に入るのも充に聞かれるのも恥ずかしくて、出来るだけ声を出さないように必死に堪えたが、もう片方の蕾を指で弄られ我慢しきれずに声を漏らしてしまう。
「あっ、あ! イヤ…やぁ…」
「ホントにイヤ? のココ、こんなに硬くなってるのに」
「い、いじわる…ふぁ…あっ…」
左右交互に舌と指で愛撫され、の胸の先端は充の唾液でベトベトになっていた。
胸への愛撫を続けながら、充は一番気になっている部分へと手を伸ばす。
下着の股の部分にそっと触れてみると、そこは湿っていた。
股間に触れられ、は反射的に足を閉じてしまう。
その湿り気を帯びた部分に直に触れたくて下着の上部から手を入れようとすると、手首を掴まれ侵入を阻まれてしまった。
「さっきから…充ばっかりズルいよ。私だけこんな恥ずかしいカッコで…充も…脱いでよ」
ハァハァと荒く息を吐きながら訴えると、分かってくれたのか充は下着から手を離した。
そして、後ろ手に帯を解いて浴衣の前を開く。
暗くてハッキリは見えなかったが、ボクサーパンツに不自然な膨らみがある事は辛うじて見て取れた。
充は下着に手をかけ、一瞬躊躇ったが一気にそれをずり下ろし、自分の欲望をの前に曝け出した。
「これでいいか?」
下着を脱ぎ捨てると、恥ずかしいのかから視線を逸らして黙ってしまう。
「うわ…凄い…」
初めて見る男の象徴に、思わず息を飲む。
それは、が想像していたよりもずっと逞しく雄々しかった。
足に力が入らなくなり、はその場にペタンと座り込んでしまう。
「お、おい、大丈夫かよ」
が自分の雄根を見て腰を抜かしてしまったのかと思い、心配そうに声をかけた。
「大丈夫…おっきいからちょっとビックリしちゃっただけだよ」
大きい、と言われ、充の頬が赤く染まる。
は腰を下ろしたまま充の股間に顔を近付けた。
しかし、暗闇の所為で細部までは見えなかった。
恐る恐る手を伸ばして直立不動しているその部分に触れてみると、人間の体の一部とは思えない程硬く、かなりの熱を持っていた。
がこんなに積極的だとは思ってもみなかった充は、自分の雄根に触れられているだけで頭の中が飽和状態になり、にされるがままになっていた。
初めて与えられたオモチャで遊ぶように、あちこちを確かめるように触れていく。
「んっ…」
「わっ…な、何!?」
先端に触れると指にぬめりを感じ、は慌てて手を引っ込めた。
指の腹と腹を擦り合わせてみると、愛液のようなぬるぬるした液体が付着している。
「充の先っぽ、何かぬるぬるしてるよ。男の人ってセーエキ出る前に透明のぬるぬるしたので濡れるって聞いたけど、これがそうなの?」
「そうだよ」
「そっか…これが…」
濡れた指を鼻に近付けてみると、雄特有の匂いが飛び込んでくる。
舐めてみると不思議な味がした。
再び充の股間に顔を近付け、今度は雄根の濡れた先端をペロ、と舐めた。
「お、おい! 何やってんだよ!!」
雄根を口にするのを嫌がる女性は多いという意識があったので、お願いした訳でもないのに自分から口にしてきたに驚いて、思わず頭を引き剥がしてしまう。
「だって…どんな味するのか興味あったんだもん。充のなら全然嫌じゃないし。充はこういう事されるのイヤ? 自分からこんな事する女の子、嫌い?」
「嫌いなワケないだろ…がこんな事するなんて意外だったからビックリしただけだよ」
の泣きそうな声を聞いて、胸が少し痛んだ。
「じゃあ…していい?」
「いいけど…ムリすんなよ?」
「うん」
充の承諾を得て、は雄根の根元をそっと握ると、もう一度濡れた先端を一舐めした。
直接味わうと、匂いも味も濃厚で噎せ返りそうになる。
私、今充のオチ×チ×舐めてる…
想像の中じゃない、本物のオチ×チ×。
想像してたより、ずっとずっとおっきくて硬い充のオチ×チ×。
こんな不思議な味がするんだ…
でも、充のだから嫌じゃない。
充の体の一部だから、もっともっと触れたい。味わいたい。
これを受け入れて、充と一つになりたい…
これが初めてなのだから仕方がないが、の口唇奉仕はあまり上手ではなかった。
時々歯が当たって痛い思いをしたが、が自分の雄根を咥えているというだけで達しそうになってしまう。
の口の中に放出して不快な思いをさせたくなかったので必死に堪えていたが、がなかなか放してくれないので充は内心焦っていた。
口を離して貰うタイミングを見計っている内に、の歯が先端の裏側の一番敏感な部分に当たってしまい、それが強い刺激となって充は堪えきれずの口内で達してしまった。
「うわ…あぁぁっ!!」
「ん…ぐっ!?」
突然口内に流れ込んできた大量の青臭い精には口を離しそうになるが、顔や浴衣にかかる事を恐れて思い止まり、そのまま口内に充の精を受け止めた。
しかし、雄の精を飲み込む程の勇気はなく、口内にどんどん溜まっていく精の青臭さに耐えきれず、は口の中の物を全て地面に吐き出してしまった。
幸い射精の勢いはなくなっていたので、口を離してもの顔や浴衣に降り注ぐ事はなかった。
「、大丈夫か!?」
「う…げほ…な、何とか…」
充に背中を擦られながら、口の中に精の味が残っているのが気持ち悪いのか、唾も一緒に吐き出していた。
「ごめん…我慢出来なくての口の中に出しちゃった…」
「充がそれだけ感じてくれたって事なんだから、私は嬉しいよ。私の方こそ、吐き出しちゃったりしてごめんね」
ヘコんでいる充に元気を出して欲しくて、涙目になりながらもは微笑んで見せた。
「口でしてくれただけで感激モンだよ。ムリに飲んで欲しいなんて思ってないから。ありがとな…気持ち良かったよ」
その優しさが嬉しくて、充はの前髪を掻き上げると想いを込めて額に口付けた。
「なぁ…今度はの見せて?」
「………うん」
は消え入りそうな声で返事をすると、立ち上がってその場から少し離れ、コンクリートの壁に背を預けた。
充が再びの下着の股の部分に触れてみると、先程よりもじっとりと濡れていた。
もそれだけで自分がどれほど濡れているか分かったのだろう。
目をギュッと瞑って充から顔を背けた。
充はの足元に膝立ちになると、の下着に手をかけた。
そのままスルスルとずり下ろしていく。
足を上げさせて下着を抜き取ると、なるべく汚れていなさそうな石の上に置いた。
「、足開いて」
ピッタリと足を閉じてしまっているに優しく促した。
充に言われ、申し訳程度に足を開く。
「それじゃ見えないよ」
「………恥ずかしいよぉ」
両手で顔を隠し、体を震わせながらも、は充が間に顔を入れられるくらいに足を開いた。
の内股に両手を添え、これから自分達が繋がる場所に顔を近付ける。
「…全然見えない」
触れそうな程顔を近付けているのに、周りが闇に包まれている所為で何も見えず、充はガクリと肩を落とす。
は充から何も見えていない事にホッとしたのか、顔を覆っていた両手を外した。
女性器を見る事は諦め、を気持ち良くしてあげようと充は手探りでその部分に触れた。
「やぁっ…」
少し触れただけなのに、充の指にねっとりと愛蜜が絡み付く。
スリットに沿って指を滑らすと、もっと奥へと充を誘うように肉の合わせ目が徐々に開いていく。
つぷ、と指先を挿し入れると、内側は熱いぬめりで満ち溢れていた。
指を動かして膣口を探り当てると、そっと中指を狭穴へと滑り込ませた。
「ふぁぁぁ…んっ…はぁ…」
自分の指しか知らないには他人の指で奥芯を愛撫される事が刺激的だった。
中で指が不規則に動く度に体を捩らせ、指の出し入れを繰り返すとちゅく、ちゅむっと淫猥な音を立てていた。
「自分でするより…全然いい…よぉ…」
「ん? 何? 、自分でココ弄ってんの?」
ポロッと漏らした一言に即座に反応し、充は指を動かしながらの耳元で囁いた。
「あ…」
自分だけの秘密を暴露してしまった事に気付き、慌てて両手で口を押さえる。
「ふーん、ってオナニーしてるんだ…そんな風に見えないのに」
が恥ずかしがっているのを分かっていて、ワザと追い打ちをかける。
充の指が一旦抜かれ、左右のヒダを擦るようにしてそのまま上方へと移動してくる。
指の腹で小さな豆状の出っ張りを感じ取り、円を描くように撫でるとの足がガクガクと震えた。
「あ、何かココにぽっちりしたのがある。ココ? ココがクリトリス? いつもココ弄ってんの?」
「あぅっ…や、ダメ…ソコッ…」
「何? ダメなの? 止めた方がいい?」
止めて欲しくないのを分かっていて、その部分から手を離すフリをする。
「ダメッ…や、止めちゃ…ヤダ…」
「でも今そこヤダって言ってなかった?」
「意地悪しないでよぅ…あの…あのね、ソコ、いつも自分で触ってるの。充の事…考えながらしてるの。だから、もっといっぱい触って…」
陰核がじんじんと疼いて愛撫の続きを待っている。
は耐えきれず充に哀願した。
「ちゃんと言えたから、いっぱい触ってやるよ」
奥から溢れ出た愛蜜を指先にたっぷりつけると、そのぬるぬるになった指先での陰核をそっと撫でた。
「あぁー…ふっ…ぅぅん…」
体を細かく震わせながら目を閉じ、は陰核に与えられる快感に集中しているようだった。
一番感じる部分をたっぷりと愛撫され、奥から絶える事なく新たな愛蜜が滴り落ちてくる。
充は自分の愛撫で洪水状態になっているの秘部をこの目で確かめてみたいという衝動に駆られた。
女性器がどういうものかちゃんと知りたいという欲求もあった。
桐山ファミリー内で唯一女性経験のある竜平からは
「グロテスクだから、あんまり幻想抱かない方がいいぜ」
と忠告されていたが、愛しいの体だから、例えグロテスクな物だとしても見ておきたかったのだ。
ふと、この闇の中でもの秘部を拝む方法を思いつき、充は指を動かしたまま膝立ちになった。
充の愛撫があまりにも気持ちいいのか、は虚ろな目で足元の充を見つめながらも足を閉じようとはしなかった。
先程のように内股に手を添え、もう少しだけ足を開かせると持っていたミニライトのスイッチを入れての秘部を照らし出した。
「おおっ!?」
「なっ、何してんのよ、バカー!!」
下腹部辺りに光を感じ、は目を開けて現状を知ると慌てて充の頭を引き剥がした。
「イテッ、髪引っ張るなよ!」
「だって充がヘンな事してるんだもん!」
「ヘンじゃねーよ。のソコ、どうなってるか見てみたかったんだよ。だってさっき俺のチ×ポ間近で見たじゃんか」
「暗くてハッキリは見えなかったもん。私ばっかりそんな恥ずかしい事、ズルいよ!」
「こうでもしなきゃ見えないんだからしょうがないだろ? なー、ダメなのかよ。の見たいよ」
「えぇー…」
充の拗ねたような声を聞いて、は少し考え込んでしまった。
「の体がどうなってるか、全部知りたいんだよ」
「…今度充のももっとちゃんと見せてくれる?」
「えっ…うん、いいよ」
「じゃあ…ちょっとだけならいいよ」
は観念したのか、掴んでいた充の髪の毛を離すと壁に背を預け、充が見やすいように少し足を開いた。
「、ありがとな。見せてくれて…」
の好意に甘えて充は足の間に顔を入れると、再びミニライトでの秘部を照らした。
羞恥で体がかぁっと熱くなる。
「毛が生えてる…」
「あ、当たり前でしょ!? もう中二なんだから」
充がポツリと漏らした一言に、恥ずかしいながらも思わず突っ込んでしまう。
「だって、小さい頃一緒にお風呂入った時はツルツルだったからさー。ここの筋だけ見えてた」
そう言いながら、少し開いてピンクのヒダが覗く肉の合わせ目をすっと撫でると、の体が軽く跳ねた。
「小さい頃から、この中がどうなってるのか興味あったんだ…」
合わせ目に人差し指と中指を引っ掛けて左右に押し広げ、ずっと知りたかった内側を目の前に露にする。
「広げちゃヤダよっ」
「こうしないと奥まで見えないもん。おっ、すげー、いっぱい濡れてるから光に反射してキラキラしてる」
「バカッ! そんな意地悪言うならもう見せないよ!」
「ごめんごめん、でももうちょっと見せて」
に怒られても全く気にせず、充は更に奥を見ようと指を広げた。
「あ、ここヒクヒクしてる。魚の口みたい」
痙攣する膣口をチョンチョン、と突付くと、そこはビクビクッと激しく痙攣して一瞬窄まった。
そのまま上方に指を移動させ、先程丹念に愛撫していた陰核をライトで照らし出す。
「うわ、ホントに豆みたいにぷっくりしてる。、ここ触ったら凄いよがってたよな」
「そこが一番気持ちいいトコなんだもん…」
先程の自分の乱れっぷりを思い出して恥ずかしくなったのか、顔を赤くして小声でボソッと呟く。
自分でもちゃんと見た事のない秘密の場所を隅から隅までじっくりと見られ、恥ずかしいはずなのに体中の血が沸騰しているかのように熱くなり、奥からトロトロと愛蜜が溢れ出てくる。
秘部をじっくり見られる事よりも、秘部を見られているのにこんなにも興奮して感じてしまっている自分自身が恥ずかしくて仕方がなかった。
充はそんなのヒクヒクと蠢く秘部をしばらく見つめていたが、いきなり内股をギュッと押さえつけると舌を出して濡れて光るその部分をペロペロと舐め始めた。
「ちょ、ちょっと止め…あぅ…はぁぁっ!」
は充の頭を引き剥がそうとするが、あまりの気持ちの良さに体に力が入らなくなる。
ぬらぬらと軟体動物のようなモノが敏感な部分に這い回り、今まで味わった事がない快楽が体中を駆け巡る。
自分や充の指じゃ比にならない程気持ち良かった。
膣口をぐちゅぐちゅと掻き回すようにされたり、膣口から陰核へと触れるか触れないかの微妙なタッチで舌を這わされたり、陰核をピシピシと弾くように愛撫されると、足が震えて立っていられなくなりそうになる。
充は口の回りを愛蜜でベトベトにしながらも、にたくさん感じて欲しくて必死に舌を動かした。
「ダメ、ダメ…ダメェ…」
の嬌声が切羽詰ったものになってくると、充は愛撫を陰核への一点集中に切り替えて、を絶頂へと追い詰める。
充が唇をつけて陰核をちゅ、ちゅっと吸い上げると、の体の奥底で何かが弾けた。
「ダメーーーーー! ダメ…だってば! イッ…く…あぁぁぁぁぁぁ!!」
充の頭を両手で鷲掴みにすると、はエビのようにビクンッ、ビクンッと体を何度も仰け反らせながら絶頂に達した。
体をピン、と突っ張らせた後、全身の力が抜けてガクン、と崩れ落ちそうになるを、充は慌てて支えた。
ゆっくり壁に凭れさせてあげると、ぐったりしているに口付ける。
「すごい…良かっ…た…」
何度目かのキスの後、ようやく意識がハッキリしてきたが恍惚とした表情で呟いた。
そんなが愛しくて、頭を優しく撫でながら額や頬にもキスを落とす。
「今度は二人でもっと良くなろ…」
「ん…」
もう一度唇と唇を触れ合わせると、は充の体に掴まりながら体勢を立て直す。
壁に寄りかかり、充の首に両手を回した。
「あ、そう言えばゴムないんだけど…」
「え…ちょっと待って」
申し訳なさそうに充に言われたは、指を折りながら何かを数えているようだった。
「今日、大丈夫な日だから…そのままでもいいよ」
「ごめん…心配だったら出来るだけ外に出すようにするから…」
の片足を掴んで軽く持ち上げると、すっかり回復しての中に入るのを待ち望んでいる雄根を二、三回扱いて先走りで少し濡らした。
膣口に充の先端が当てがわれると、緊張の所為かの体が固くなる。
「、力抜いて」
「うん」
充を受け入れ易くする為に、出来るだけ力を抜いてその瞬間を待った。
充が腰を押し進めると膣口がピリッと痛む。
心配かけたくなくて、歯を食いしばり目を固く閉じてそのまま充が自分の中に入ってくる痛みをぐっと堪えた。
「はっ…はぁっ…あ…入った…」
何とか根元までの中に押し込む事が出来、充は安堵の溜め息をついた。
充の声を聞いて目を開くと、知らぬ間に泣いてしまっていたのかポロポロと涙が零れ落ちて頬を伝う。
「痛かった? ごめん…」
「大丈夫だよ…泣いたりしてごめんね。でも平気だから」
結合部が火傷したいみたいに熱く、鈍い痛みを感じていたが、我慢出来ない程のものではなかった。
「辛かったらちゃんと言えよ?」
「うん」
このまま続けてもいいものか躊躇っていたが、ここで止めるのもの気持ちを無にするような気がして続行する事にした。
の腰に両手を回すと、控え目に腰を動かし始める。
火箸で全身を貫かれているようで、堪え切れずは充にしがみついた。
「はっ…あ…あぁ…の中、すげー熱い…の中で俺のチ×ポ溶けちゃいそう…」
少しキツめだけれど、肉ヒダが纏わりついてくるように雄根を締め付ける。
初めて味わう女性の肉洞のあまりの気持ち良さに、充の口から喘ぎ声と荒い息が入り混じったものが漏れてくる。
「充のだって…はぅんっ…熱いよぉ…何か熱いのがお腹ん中で動いてるっ…」
指より数倍太い物が自分の中でゆっくりと動いているのを感じ取れる。
始めは痛みしか感じられなかったが、少しずつだが痛み以外のものを感じ始めているのに気付き、自分が自分でなくなるような気がした。
一方充は、の体を気遣って控え目に動こうとしてはいるものの、腰の方は無意識の内にその動きを激しくしていった。
「ごめん…ごめん…気持ち良過ぎて止まんないっ…」
腰を打ちつける度に結合部から聞こえる、ぬちゃっ、ずちゅ、ぐちょっ、という厭らしい水音に混じって充の掠れた声が耳に届く。
は返事をする余裕もなく、ただ必死で充にしがみついていた。
「抱きついてくれんの…んっ…嬉しいけど、外に…く、ぅんっ…出せなくなっちまう…」
こんな時でも自分の事を考えてくれているのが嬉しかった。
「い…いよ…ぅ…だいじょ…ぶな日だ…し…アッ…充なら、いいの…」
上下に揺さぶられながら、何とか言葉を発する。
「………ありがと」
充ならいい、と言ってくれたのが嬉しくて、想いを込めて口付ける。
そのまま二人共無言で、お互いを感じ合いながら昇り詰めていった。
最初に感じていた痛みや不安はすっかり吹き飛び、今は快感だけが体中を、頭の中を支配している。
自分の中に激しく出入りする充の事しか考えられなくなっていた。
「…どうしよう、ごめん…もうイッちゃいそう…」
限界が近付いてきたのか、充の申し訳なさそうな声が耳に入る。
と一緒に達したいのか、自分だけ先に達しないように腰を動かすスピードを落とす。
「いいよ…私も…何かヘン…充と一緒にイキたい…」
「俺も…ちょっと激しくするけど我慢して? 俺が先にイッちゃったらごめん」
も限界が近いと知った充は、出来るだけ先にをイカせようと奥を突き立てるように激しく腰を動かし始めた。
「ちょっ…えっ…待って、待って、待ってよ!! それダメだってば! ヘンになっちゃうよぉぉぉ!!」
ガクガクと体を上下に揺さぶられ、奥を激しく突きたてられ、は耐えきれず叫び声をあげた。
陰核を弄っている時とはまた違った感じの快楽が、体の奥で燻っているような気がした。
「もうだめ…むりだよぅ…あぁ…ん、あ、だめっ…止めてぇ! あっん…ヤダ、こわれちゃうっ!! あ、イッちゃ…あっ…充…充…みつるぅぅぅっ!!」
ズン、ズン、ズン、ズン、と立て続けに奥を突かれ、無我夢中で充にしがみつき、絶叫をあげながら達してしまった。
一瞬体がふわりと浮いたような感じがして、そのまま頭の中が真っ白になる。
意識は飛んでしまっていたが、体の方は充も一緒に絶頂へと導くかのように雄根をキュ、キュッと締め付けていた。
「ひっ…くぅっ…すご…締まってるっ…あ、も…出る、出る、出ちゃう!! あ…ハッ…あぁぁぁっ!!」
の体に自分の体を密着させ、雄根をグッと奥へと押し込むと、充もにしがみつきながら達した。
狭いの中で、充の雄根がドクドクドクッと痙攣しながら白粘液を大量に解き放つ。
「…の…中で…イッちゃった…の中が気持ち良くて、いっぱい出しちゃった…」
舌足らずな口調で恥ずかしそうに言いながら、充はの肩に顔を埋めた。
充の放った熱い迸りを体内で感じ、は朦朧としながらも自分の肩に顔を埋めてハァハァと苦しそうに息を吐いている充の頭をそっと撫でた。
後始末を終えて浴衣を着直し、橋の下を後にした二人は手を繋いで帰り道を歩いた。
すっかり遅くなってしまったので、充はを家の前まで送る事にした。
初めてのセックスの後だからか、知らず知らずの内にがに股になってしまい上手く歩けずにいるに合わせて、充もゆっくりと歩を進める。
それでも、二人で手を繋いで歩いていると距離も時間も短く感じ、あっという間にの家の前に到着してしまった。
「、家に入ってからもそんな歩き方すんなよ?」
「するワケないじゃない。こんな歩き方してたら充とエッチした事バレちゃうよ。家に入ったらお風呂に入ってシャワー浴びて、お風呂から出たら即行部屋に行って何とか誤魔化すよ」
「それならいいけど…でも、無茶しちゃってごめんな」
「ううん…してって言ったの私なんだし、充と一つになれたからいいの…」
一瞬間をおいて、は充に抱きついた。
「おい…こんなトコで誰かに見付かったらヤバいんじゃないか!?」
「ちょっとだけ…このままでいさせて」
「う、うん…」
辺りをキョロキョロ見回した後、充もおずおずとの背に手を回してその体を抱き締めた。
「私達…彼氏彼女になったんだよね?」
「そうだよ」
「…嬉しい。やっぱりまだ夢みてるみたい」
「俺も…」
充の胸に顔を埋め、抱き締める両手に力を込めると、充の手にも力が込められたのを感じた。
「来年の夏祭りも一緒に行けるんだよね?」
「ああ、二人で行こうな」
「さっきね『幼馴染みの関係は卒業して、充と恋人になれますように』ってお願い事したら叶ったから、ありがとうって言いに行きたいんだよね」
「えっ!? 実は俺も『と恋人になれますように。告白、上手くいきますように』ってお願いしたんだよ、叶った今だから言えるけどな」
「そうなんだ〜、二人共ご利益あったね。二人でお礼言いにいかなきゃね」
「そうだな」
「来年行ったら、お礼の後に『これからもずっと充と夏祭りに来れますように』ってお願いしよっと」
「お願い事は人に言っちゃうと叶わなくなるんじゃなかったっけ?」
「あ、そうか…」
「…そのお願い事なら、神様に頼らなくても俺が叶えてやるよ」
「うん…」
顔をあげると、充は優しい笑みを浮かべて唇を重ねてきた。
は目を閉じると、二人のお願い事を叶えてくれた神様に感謝の祈りを捧げた。
+ + + + + +
半年くらい前に感想フォームから「主人公は充の幼なじみで、近所で夜にお祭りがあるので充と一緒にいって
(もちろん2人は浴衣姿)そして祭りが終わり、誰もいない橋の下で…という充夢が見たい」というご要望をいただいて、「あ、この話書きたいかも」と思いずっと脳内でストーリーを練っててようやく日の目を見た作品です。
このメール送ってくれた人、今でもウチのサイト見てくれてるのかなぁ…(汗)
他にも「これは書いてみたいなー」って思ったご要望はいくつかあるんですが、脳内に留まったままなのが多くて申し訳ないです。
半年も脳内で練ってた割に、いざ書いてみるとイマイチ纏りのない話になってしまいました。
カップルの青姦現場を目撃するシーン、何かの伏線にするつもりだったのに、何の伏線にしたかったのか書いてる内に忘れちゃったりとか(苦笑)、つじつま合わせる為に急遽入れたシーンとかあったりしてボロボロです(泣)
他にも主人公が秘密基地の事を忘れてるのはおかしい、とかツッコミ出したらキリがないので、あまり深く考えずに読んでやって下さい。
それにしても、告られたその場で初体験、しかも青姦&立ちマン、その上ちゃんとイッちゃってる主人公が一番ありえないのかも(苦笑)
あと、充がヘタレ攻になってしまいました。
カッコいい攻充を期待してた方はスミマセン…