従順



「三村、俺と賭けしない?」
そう言って三村を誘ってきたのは飯島だった。
「今日のバスケの練習試合で、多く得点を決めた方が勝ち。敗者は勝者の命令を何でも一つ聞く」
これが賭けの条件だった。
『俺にバスケで勝負を挑もうなんて十年早い』
そう思った三村は二つ返事でOKした。
この賭けが、三村の人生をひっくり返してしまうような出来事を引き起こしてしまうとも知らずに…

「ちくしょー! マジかよ!?」
試合終了の笛が体育館に鳴り響いたその時、三村は思わずその場に座り込んでしまった。
飯島との賭けに負けてしまったのだ。
その差は僅か2点。
何とか逆転しようと、冷静さを失ったのが敗因のようだ。
「やりー! 俺の勝ちー!!」
異常なまでの飯島のはしゃぎっぷりに、三村は余計腹立だしさを感じる。
「約束、忘れてないよな?」
「ああ…負けは負けだからな。俺も男だ、お前の命令何でも一つ聞いてやるよ。で、何だ?」
「とりあえず、それは後で」
「何だよ、それ」
飯島の様子から見て既に願い事は決まっているようだったが、ただニヤニヤと笑うだけだった。
その笑いが、ますます三村を苛立たせた。
いつも通りに全員で後片付けを済ませ、更衣室で着替えをする。
一人、また一人と更衣室を出ていき、飯島と三村だけがその場に残った。
「さーて、みんな帰ったところで、俺の命令聞いてもらおうかな」
「何だよ。みんながいたら出来ないような事なのかよ」
自分も帰ろうと、カバンを持って更衣室を出ようとしたその時、飯島に腕を掴まれ三村は立ち止まった。
「まあね」
「さっきからもったいつけて…さっさと言えよ」
「じゃあ…ヤらせろ」
「は?」
三村は耳を疑った。

こいつ今、ヤらせろって言わなかったか?
俺達、男同士なんだぜ。
まさか…な。

「聞こえなかった? ヤらせろって言ったんだけど。それとも、もう始めちゃっていいワケ?」
「なっ…飯島、お前マジかよ!?」
「マジ。大マジ」
「お前そういう趣味だったのかよ!」
「別に男なら誰でもいいって訳じゃないぜ? 三村だから、だぜ?」
「ワリィけど…俺はそういう趣味ないから…」
「何でも一つ、命令聞くんだよな?」
「あ、あのなあ…いくら何でも聞ける命令と聞けない命令があるだろ。
もし俺が勝って、お前に死ねって言ったら死ぬか? 死なないだろ!?」
「まあ…な。そんなに嫌か?」
「あ、当たり前だっ!」
「そっか…じゃあ、ヤるのは諦めるから、その代わりお前の裸見せて。俺がいいって言うまで」
「それも嫌だよ!」
「何で? 裸見せるくらいならいいじゃん。去年の移動教室で一緒に風呂入ったワケだし」
「それは同じ班だったからだろ! それに、風呂で裸見られるとの、自分から見せるのじゃ全然違うじゃねーか!」
「でも、賭けは賭けだぜ? これでもかなり譲歩したんだから、裸くらい見せろよ。いいだろ?」
「本当に見るだけだな?」
「ああ」
「いきなり欲情して襲ってきたりしないな?」
「頑張って我慢するよ」
「……分かったよ。脱げばいいんだろ!? 脱げば!」
三村は吐き捨てるように言うと、着たばかりの制服を脱ぎ始めた。
飯島はベンチに腰を下ろすと、相変わらずニヤニヤしながら三村が服を脱いでいく様を見つめている。
「これで満足か!?」
ズボンを床に叩きつけるように脱ぎ捨てると、三村は飯島を睨みつけながら言った。
「まだパンツが残ってんじゃん」
「全裸になれって言うのか!?」
「うん。全裸になれ。命令だ」
「てめー…後で覚えとけよ」
三村は自分の下着(ちなみに黒のビキニタイプだ)に手をかけ、しばらく迷った末、それを下ろした。
三村の一糸纏わぬその姿を、飯島は身を乗り出して見つめる。
三村の方は、恥ずかしいのか俯いたままだった。
「三村、元気ないねー。どうしたの?」
「…男相手に勃つか、バカ」
「ま、いっか。それじゃ、そこの机の上に乗って足開いて」
「見るだけって約束だろ!?」
「もちろん。だから、よく見えるように足開いてもらおうかと思って」
「お前、マジ頭おかしいんじゃねーか?」
「ホントはヤらしてもらおうかと思ったの、見るだけにまけてやったんだから、それくらいのサービスしてくれてもいいんじゃない?」
「…分かったよ」
三村はチッと舌打ちすると、机の上に乗り飯島に向かって足を開く。
「そうそう。しばらくそのままな」
未だうなだれたままの三村のペニスに視線を集中させると、飯島はそう言った。
沈黙が訪れた。
飯島はただ、無言で三村の恥態を見つめ続けた。
そのねっとりと絡みつくような視線に、三村は体が熱くなってくるのを感じる。
「何だよ…男相手じゃ勃たないとか言って。三村のチ×コ、元気になってきてんじゃん」
「くっ…」
自分の意志とは裏腹に、その部分は熱を帯びてきていた。
それを隠すように、慌てて足を閉じる。
「まだいいって言ってないぜ?」
「いい加減にしろよ」
「負けたのは誰でしたっけ?」
「……」
「じゃあ、今度はポーズ変えてみよっかv俺にケツ向けて四つん這いになって」
「まさか…いきなり犯るつもりじゃねーだろうな…」
「疑うのかよ、見るだけって約束してるじゃん」
「…俺に触ったら承知しねーぞ?」
キッと飯島を睨みつけ、三村は体勢を変えて四つん這いになった。
それを見届けると、飯島は三村に近付く。
「見るだけって言ったろ!?」
「だから見るだけだぜ? 触らなきゃいいんだろ? その代わり近くで見させてもらうからv」
「勝手にしろっ!」
そう言って三村は視線を机の上に落とした。
自分のすぐ後ろに飯島の気配を感じる。
飯島は興奮しているのか、時々荒い息が肌にかかった。
「すっげー、三村のケツの穴、何かヒクヒクしてる」
飯島の言葉に、三村は一瞬にして顔全体を真っ赤にした。
「物欲しそうにヒクヒク動いてる…ホントはして欲しいんじゃねーの?」
「バカ…そんな事、ある訳…ねーだろ…」
「ふーん…じゃあ、その前からだらしなくポタポタ垂れてんの、何?」
飯島に言われ、三村が自分の足元に視線を移すと、自分のペニスから先走りが溢れ出し、滴り落ちて机の上に染みを作っていた。
「こっ…これは…あ、お、俺、人よりカウパーの量多いんだよっ!」
「ま、三村サンがそう言うならそうなんだろーね。俺は見るだけって約束だから手は出せないしぃ」
「…れよ」
「は?」
「いいよ…やっぱ何でも聞くって約束だし…ヤれよ」
「いいって、無理しなくて。俺は見てるだけで満足だから」
「最初ヤらせてって言ってたじゃねーか!」
「三村さぁ…ホントは自分がして欲しいんだろ?」
「して欲しいワケ、ねーだろ…」
「じゃ、俺は見てるだけで満足だから、このままでいい。分かった?」
「……」
「何…その納得いかなさそうな顔は。言いたい事があるならハッキリ言えよ」
「……して…くれ」
「え?」
「飯島…してくれよ…ヤっていいよ…」
「『してくれ』って何? 『ヤっていいよ』って、お前何様? 言い方間違ってんじゃん? 『して下さい』だろ?」
「……して…下さい」
消え入りそうな声で懇願する三村。
それを見て飯島はニカッと笑う。
「そうかそうか、そんなにして欲しいならしてやるよv」
飯島は三村のおしりに手をかけると、蕾を隠す左右の双璧をグッと開いた。
自分のアヌスを露にされ、三村の全身が熱くなる。
「ひゃっ! ああっ!?」
不意にアヌスにぬるぬるとした感覚を受け、三村は思わず声をあげてしまう。
飯島は気にせず、三村のアヌスに舌を這わせ続けた。
周囲に円を描くように這わせたり、アヌスのしわを一本一本なぞったりと、飯島は少しずつ三村を追い詰めていった。
三村の方は、生まれて初めて味わう感覚に体中を震わせている。
更に双璧を広げ、アヌスの中にぬぷぬぷと舌を出し入れすると、三村の体中にとてつもない快楽が駆け巡る。
「あっ…ん…あああっ!」
三村のペニスがビクン、と脈打ち、机の上に白濁の液体がぶちまけられた。
「はっ…あ…ん…」
「何だよ三村、ケツだけでイッちゃったのかよ〜」
荒く息を吐く三村を見つめ、ニヤニヤ笑いながら飯島が言った。
「そっちの方の素質、あるんじゃねーの? その方が俺としてもありがたいけどね」
飯島はベルトを外し、ファスナーを下ろして自分のペニスを取り出すと、それを三村の顔に押し付けた。
「これ、早く欲しいんだろ?」
飯島のペニスをチラッと見て、無言で頷く三村。
「入れてやるから、ケツの穴自分で開いてみろよ」
「……」
三村は左手を後ろに回し、人差し指と中指でアヌスを広げる。
「三村、やらしいな〜。自分でケツの穴広げちゃてさ」
「いいから…は、早く入れろよ」
「入れろよ、じゃねーだろ?」
「い…入れて、ください…」
「よく出来ましたv」
飯島は三村のアヌスに自分のペニスをあてがうと、そのまま少しずつ三村の中にそれを埋め込んでいった。
「はぁっ! あ…ああ…」
「んっ…キツイな、三村の中…」
ペニスに痛みを感じつつも、飯島はムリヤリ自分の分身を全て三村の中に押し込んだ。
「全部入ったぜv」
「痛ぇよ…飯島…」
飯島に耳元で囁かれ、振り向いた三村の目には涙が浮かんでいた。
「その表情たまんねえ…ゾクゾクする」
三村の腰を両手で掴むと、飯島は激しく腰を打ちつけ始めた。
「ひゃぁっ! あっ! 痛ぇって言ってんだろっ!?」
「その内よくなるよv」
「そんなワケ…はっ…んん…」
「ほら…」
「や…いい…じま…ああっ…」
「嫌? だったら止めようか?」
「ダ、ダメ…」
ペニスを抜こうとする飯島を止めるかのように、三村は自分からおしりを飯島の腰に押し付ける。
「何自分からケツ動かしてんだよ…ほんと、やらしいな〜」
飯島は三村の腰を掴み直し、再び腰を動かし始めた。
「あんっ! あ…んん….」
「ヒャヒャヒャ! 三村が俺のチ×コで感じてる。俺に犯されて喘いでる。たまんねぇ〜v」
「飯島…ちょ…激し…」
「激しい方が好きだろ? ここ、また元気になってるしな」
そう言って、飯島は三村のペニスを掴み扱き上げた。
「やぁぁっ! も…イクッ!」
「イかせないよ」
ペニスに与えられた刺激によって絶頂に達しそうになる三村だったが、
飯島にペニスの根元を強く掴まれ射精を寸前のところで止められてしまう。
「飯島!? やだっ! イかせろよっ!」
「俺がイクまでおあずけv」
飯島は三村のペニスを強く掴んだまま、自分も絶頂に達するべく腰の動きを早めた。
「三村、中に出すからな?」
「はぁん! ク…ん…あっ! あっ!」
「何だよ…口きけないくらい感じてんの? なら、勝手に出すからいいけどね」
三村の更に奥深くにグイ、と己のペニスを埋め込む飯島。
「俺もイキたい! 飯島っ! 一人だけイクなよっ!」
「分かってるよ。ほら…イッていいぜ」
飯島は三村のペニスを掴んでいる手を緩めると、三村の先走りを指にたっぷりと絡ませてペニスを上下に扱いた。
「やぁ…イク…んっ…」
「イッちゃえ、イッちゃえv」
「う…イクッ! アアアッ!」
飯島のペニスを締め付けながら、先程と変わらぬくらいの量の精液を机の上にぶちまけて、三村は絶頂に達した。
「んっ…みむ…ら…俺も、イク…」
絶頂に達した三村の締め付けに、限界が来た飯島も三村の中に大量の精液を注ぎ込む。
「あ…飯島の精液が…中に入ってくるの…分かる…」
「ハァ…あ…三村の中、気持ちいいからいっぱい出ちゃった…今まで我慢してた分、たっぷり注いでやったからな…」
射精の勢いが落ち着き、飯島は三村の中から自分のペニスを引き抜いた。
中に収まりきらなかった精液が、三村のアヌスから溢れ出てくる。
恍惚とした表情でアヌスから自分の精液を垂れ流す三村を、飯島は至福の表情で見つめていた。

三村が飯島との賭けに負けてから一週間が経った。
あれ以来、二人は部活の度に賭けをしていた。
「敗者は勝者の命令を何でも一つ聞く」という条件で。
成績は今のところ、飯島の全勝だった。
そして、今日も……

更衣室に二人きりになった時が、罰ゲーム開始の合図だった。
「三村、お前負けっぱなしじゃん。いい加減もう止めといたら?」
飯島は後ろから三村の体を抱き締めて、耳元で囁く。
「うるせぇ…俺が勝って、今までの屈辱を全部お前に返すまでは止めねぇよ」
「ふ〜ん、そうなんだ。でも、俺にはワザと負けてるようにしか思えないけどねぇ…」
「な…ワザと負けるワケねーだろ!?」
「どうだか…ホントは俺に犯されたくて、ワザと負けてんじゃねーの? ヒャヒャヒャ!」
そう言って、飯島は三村の股間を鷲掴みにした。
「んっ!」
「どうよ〜、今回の罰ゲームは。興奮しただろ」
飯島が三村のユニフォームの短パンをずり下ろすと、ビンビンになった三村のペニスが顔を覗かせた。
「ノーパンで、サポーターもなしで部活に出て、誰かに気付かれたらどうしようって、ドキドキしたんじゃないの?
いつもより動き鈍かったぜ?」
「あ、当たり前だろ!? こんな事、誰かに知られたら…」
「でも、今こんなになってるって事は、やっぱ興奮したんだよな? 三村、変態だな〜」
「そんな事いいから! 早く今日の命令、言えよ」
「そうだな…どうしようかな…とりあえずフェラしてもらうか。とりあえず」
「とりあえずって…何だよ」
「命令、フェラだけにしちゃっていいのかな〜? 最後までして欲しいだろ? ホラ、とりあえず舐めろよ」
三村をその場にしゃがませ、飯島は短パンと下着を一気に脱ぎ捨てた。
上着の裾を捲り上げ、三村の口元にペニスを突き付ける。
三村は舌を出し、ためらいがちに飯島のペニスの先端を舐め始めた。
「部活でいっぱい汗かいたからな。しっかりキレイにしてくれよ」
「チクショウ…俺にこんなモン舐めさせやがって。俺が勝った時覚えてろよ!」
「はいはい…」
悪態をつきながらも、口の端から涎を垂らし自分のペニスに一生懸命口唇奉仕する三村を見て、
三村はすっかり自分の言いなりで、賭けに負ける事はないな、と確信する飯島なのであった。

+ + + + + +

この小説も路地裏と同じ理由でこちらに一時掲載させていただきました。
実はこれ、最初に捧げた人は別の人だったのですが、ちょっと訳あって空橋さんに捧げさせていただいた事だけ
書いておきます(最初に捧げた人が他にいる、という事は空橋さんには話してあります)。
いや、見てないと思うけど、もし最初に捧げた人がこれ見る可能性もあると思ったので…

今回は珍しく映画版です。しかも飯三です。
私はどちらかというと映画版の三村と飯島だったら三飯の方が好きなので(でも飯三も好きですよ〜)、
なかなかいいネタが思い浮かばず苦労した記憶があります。
飯島をちょい鬼畜にしちゃいました。
三村いいなりだし(苦笑)
この作品は「鬼畜飯島最高〜!」と「飯三とは言え、三村より立場上な飯島なんて…」と賛否両論だったので、
これ読んだ皆さんはどう思ったかな〜。
私は沼桐じゃやりずらい羞恥プレイが書けたし、エロ度もなかなかなので満足のいく出来具合なのですが…
こんなあっさり言う事聞く三村は三村らしくないかもしれないけどね(苦笑)



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