ここはいつもの世界とは別の世界にある城岩町。
この町の外れにある小さな家では、人間のご主人様と犬耳の少年が仲良く暮らしていました。


おやつの時間


「ただいま」
「お帰り、ボス! 学校お疲れ様」
この家の主人である桐山が帰宅すると、ペットの充は必ず玄関まで迎えに来た。
家の奥からしっぽをパタパタ振りながら走ってくる充を見ると、桐山は一日の疲れが癒されるような気持ちになる。
「充、今日はおみやげを買ってきたよ」
「えっ? ホント!?」
「ああ。昨日お前がテレビを見て食べたそうな顔をしていたから」
そう言って桐山が充に手渡したのは、ドーナッツ屋の箱だった。
「わぁ、ドーナッツだ! ボス、ありがとう。ちょうどおやつの時間だから、俺お茶入れるね」
「それでは二人で食べよう」
「うんv」
充が台所に行ってお茶の用意をしている間に、桐山は自分の部屋に戻り部屋着に着替えた。
着替え終わって台所に行くと、充がドーナッツ屋の箱の中を覗きながら悩んでいる。
「どうした、充」
「あ、ボスちょうど良かった。ボスはどれが食べたいの? 先にボスが選んでよ。俺は残ったのでいいから」
桐山は普段こういった物を食べないので、ドーナッツ屋に行った時何を選んでいいのか分からず、
1個ずつ違う種類のドーナッツが入っている、5個入り詰め合わせを買ってきたのだ。
「俺はどれでもいいんだ。充が好きな物を選ぶといい」
「いいの?」
「ああ」
「じゃあ、俺はフレンチクルーラーと、えっと…エンゼルショコラがいい」
充はその2つを自分の皿に取ると、残りの3つを空いている皿に乗せて桐山に差し出した。
「充が3つ食べていいよ」
もう一つ食べたそうな顔をしながら皿を差し出す充を見て、桐山はそう言った。
「でも…ボスはご主人様だから3つで、俺は2つでいいんだ」
「いや、俺は3つも食べ切れないから、充が3つ食べてくれるかな」
「ボス…ありがとう。やっぱボスは優しいな」
「このドーナッツは充の為に買ってきたのだから気にするな」
「うん…じゃ、ストロベリーリングも食べたいv」
充はストロベリー味のチョコがかかったドーナッツを自分の皿に移すと、オールドファッションとカスタードショコラを
桐山に渡す。
ちょうどお湯が沸いたので、充は台所に戻り桐山の為にコーヒーを淹れた。
そして、自分用のホットミルクを一緒に持って来てテーブルに置く。
「それじゃ、いただきまーす」
「いただきます」
3つの内どれを食べようかしばらく迷っていた充だったが、フレンチクルーラーを手に取ると、パクリとそれを齧った。
「美味しいv」
「そうか…」
桐山もオールドファッションを1口齧る。
悪くない味だった。
パクパクと美味しそうにドーナッツを食べる充を、桐山は優しい表情で見つめていた。
「あー、美味しかったv ボス、ごちそうさま」
あっという間にドーナッツを3つ食べ終えた充は、満足そうな顔をしながら指についていたクリームをペロリと舐めた。
そのまま充は指についた砂糖もペロペロ舐め始める。
それを見て、桐山は立ち上がると充の傍に行き、その手を掴んだ。

あ…俺、今指をペロペロしちゃってたから、お行儀悪いって叱られるのかな…

桐山に叱られるのかと思い充がシュンとしていると、桐山は砂糖がついた充の指をそっと口に含んだ。
「ボ、ボス!?」
「甘いな…」
そう言って桐山は再び充の指を口に含む。
桐山の唇は柔らかく、何だか心地良かった。
しかし、指を舐める桐山の表情は何だかとても厭らしく思えて、指を舐められている間充はずっとモジモジしていた。
「充、口の端にクリームがついている」
「え?」
充の指を解放した桐山は、今度は充の顔を両手で掴むと口の端についたクリームを舐め取った。
そのまま、充の唇にもそっと舌を這わす。
充は思わず真っ赤になって俯いてしまった。
桐山は充の顎に手を添えて上を向かせると、今度は自分の唇を充の唇に重ねる。
二、三度触れるだけのキスを繰り返した後、充の唇を割って舌を口内に侵入させた。
充と舌を擦り合わせる度に、桐山の口内に甘い味が広がる。
充の唾液の味をたっぷりと堪能した桐山は唇を離すと、ディープキスの余韻でボーッとしている充を抱きかかえた。
抱きかかえられて我に返った充は、驚いた顔で桐山を見つめる。
何も言わず充の額に軽く口付けると、桐山はそのまま自分の部屋へと向かった。
充の体をベッドの上にそっと寝かせると、覆い被さってもう一度口付ける。
「ん…や、ボス…止め…」
「何で嫌がるんだ?」
「だって…まだ夜じゃないのに…」
「充を見ていたら、したくなったんだ」
「でも…んん…」
充に反論させないように、充の口を自分の口で塞ぐ。
何度も口付けながら、桐山は充の服を一枚ずつ脱がしていった。
「あ…やだ…やだよぉ…」
一糸纏わぬ姿にされてしまった充は、慌てて毛布で下半身を隠し恥ずかしそうにしている。
「何で隠すんだい?」
「う…まだ明るいから恥ずかしい…全部見えちゃうんだもん」
そう言いながら、充は毛布を桐山に取られないようにギュッと握り締めた。
「……」
桐山はしばらく何か考え事をしているのか黙ったままでいたが、おもむろに充の握っている毛布の中に
頭を突っ込んだ。
「わっ! ボス何やって…んぁっ!!」
充は驚いて毛布の中から桐山を引き摺り出そうとしたが、おへそに何かぬめりを感じ硬直してしまう。
「や…んっ…ボス、おへそ舐めちゃやだぁ…くすぐったい…ふぅ…ん…」
「こうしていれば全部見えないだろう? このまま大人しくしていろ…」
毛布の中の桐山はそう言うと、充の制止の声は無視しておへそを舐め続けた。
「やだやだ…もう止めて…」
口では抵抗を続ける充だったが、おへそへの桐山の執拗なまでの愛撫に体の方は少しずつ力が抜けていき、
中心部は熱を帯びて大きく膨らんでいった。
桐山はおへそから口を離したが、小さいながらも一生懸命天を仰いでいるその部分には触れようとしなかった。
おへそから足の付け根までツツーッと舌を這わせると、充の体が弓形に仰け反る。
足の付け根や下腹に舌や唇を這わせるが、肝心な部分へはギリギリの所で愛撫の手を止める。
「ボス、ボスゥ…熱いよぅ…」
充は一番触れて欲しい部分になかなか触れてこない桐山の愛撫がもどかしかった。
下半身は毛布で覆われている為、次にどこを触られるか分からないのも充の不安と快楽を煽っていた。
「ボス…どうして…くぅ…ん…も、意地悪しないで…お願い…」
「どうして欲しいんだい? ちゃんと言わなければ分からないよ?」
「…触って。オチ×チ×も触ってよぉ。そんで…いっぱいペロペロして…」
顔を真っ赤にして、消え入りそうなくらい小さな声で充は哀願した。
次の瞬間、ペニスの根元から先端にかけて触れるか触れないかの微かな感触が一気に駆け上がる。
「あぁぁぁぁっ!!」
散々焦らされた充の体は、その僅かな感触だけでも過剰に反応してしまう程敏感になっていた。
桐山は内側から毛布を払い除けると、充の両足をがしっと掴んでペニスに何度も舌を這わせる。
「こうして欲しかったのかい?」
毛布を剥ぎ取られた充が下半身に視線を向けると、桐山がじーっとこちらを見つめながら舌を出して
充のペニスをペロペロと舐めていた。
充は恥ずかしくなってギュッと目を瞑る。
それでも桐山は充に顔を向けたままペニスに舌を這わせ続けた。
「あんっ…ダメ…も、出ちゃう…」
充の言葉と共に、ペニスがフルフルと震え始める。
桐山はその震える小さなペニスを口に含むと、軽く手で扱きながら充を絶頂へと導いた。
「あっ…あっ…あぅっ…あっは…ん…んん…出ちゃう、出ちゃう…ミルク出ちゃうよぉぉぉ!!」
充は涙目になりながら、先程よりも大きく弓形に仰け反ると桐山の口内に精を放った。
ミルクというよりはヨーグルトみたいな精の塊が桐山の口の中を満たしていく。
少し眉を顰めながらそれをゴクリと飲み干し、充のペニスから口を離した。
ペニスの汚れている部分を舌でキレイに舐め取ると、涙の滲んだ充の目尻に口付ける。
「ハァ…ボスゥ…ミルクいっぱい出ちゃった…ごめんね…」
「気にする事はない。美味しかったよ」
桐山は申し訳なさそうな顔をしている充の額に口付け安心させてやる。
「今度は充が俺にしてくれるかな?」
「うん…ボスのいっぱいペロペロしてあげるね」
少し恥ずかしそうに言って、充はニコッと笑った。
それを見て桐山はズボンと下着を脱ぎ、ベッドに横たわる。
充は桐山の股間に顔を近付けると、舌を出してオズオズと大きく反り返ったペニスに舌を這わせる。
充の奉仕はあまり上手とは言えなかったが、自分を気持ち良くさせようと一生懸命頑張る充の健気さが
桐山は好きだった。
「ボス、気持ちいい?」
「気持ちいいよ…充」
桐山は不安そうな表情で尋ねてくる充の頭を優しく撫でた。
「へへ…良かった。俺、もっと頑張るね」
桐山に撫でられ嬉しそうな顔をすると、充は子犬がお母さんのおっぱいを吸うように桐山の股間に顔を埋め、
チュッ、チュッとペニスを吸い始めた。
「んっ…」
吸い上げられる感覚が刺激となったのか、桐山の息が乱れ始める。
桐山が気持ち良さそうにしているのに気付いた充は、両手で桐山のペニスを握るとパクッとそれを咥え、
頭を上下に動かした。
「く…んん…充…」
充の唇で扱かれ、桐山の口から喘ぎ声が漏れる。
荒っぽかったが、その強い刺激が桐山の中の快楽を高めていった。
「充…あ…もう出そうだ…出すよ、充…」
桐山の言葉を聞いて充は視線を上に向けると、ペニスを咥えたままコクンと頷いた。
そして、今度は唇だけでなく手も使って桐山のペニスを扱く。
「ふっ…く…うぅっ!!」
「んぐっ…う…」
桐山が低く呻くと同時に充の口の中に苦い味が広がった。
充はその味が苦手だったが、大好きな桐山の体から出た液なので、一滴も零さぬように必死で飲み込んだ。
「ぷはぁ…ボスのミルク、すっごい濃い…」
桐山の精液を全て飲み込んだ充はペニスから口を離すと、新鮮な空気を吸い込んだ。
「ちゃんと残さずに全部飲めたな」
桐山が呼吸を整えている充の頭を優しく撫でると、充はしっぽを振りながら嬉しそうな顔をした。
「いい子だ…」
ご褒美に額や頬にたくさんキスをしてあげると、更にしっぽをパタパタさせて喜んでいた。
「充、今度は四つん這いになってごらん」
「うん…」
充は少し照れながらも、桐山におしりを向けて四つん這いになった。
「ボス、これでいい?」
「もっとおしりを高く上げるんだ」
「う、うん…」
真っ赤になりながらも、ご主人様である桐山の命令通りおしりを高く突き上げた。
「それでいい…しっぽが邪魔だな」
桐山は充のおしりに顔を近付けると、秘部を隠すように下に垂れていた充のしっぽを持ち上げた。

まだ明るいから、きっと今ボスに全部見えちゃってる。
オチ×チ×もタマタマもおしりの穴も、全部ボスに丸見えになってる。
こんなの恥ずかし過ぎるよぉ…

桐山からは充の顔は見えないが、充は何故か両手で真っ赤になった顔を隠しながら、閉じたくても閉じれない足をガクガクと震わせていた。
目の前に曝け出されている、まだ小さな花の蕾のような充の秘部を指先でそっと撫でた。
桐山に触れられた途端、充の体がビクンと跳ねる。
桐山は小刻みに震えるおしりを両手で掴むと、充が痛い思いをしないように秘部を舐めて、たっぷりの唾液で
濡らし始めた。
「あっ…ぁんっ…」
桐山の愛撫は気持ち良かったが、桐山に秘部を舐められる時、いつも充は複雑な気持ちになった。
ペットである自分がご主人様におしりを舐めて貰っているなんて、申し訳ない気持ちになってしまうのだ。
しかし、あまりの気持ち良さにいつも途中で何も考えられなくなってしまう。
充の秘部が自分のペニスを受け入れられる程十分に解れたのを確認すると、桐山は体を起こして膝立ちになり、
すっかり回復したペニスの先端をそこに当てがった。
「うっ…く、はぁ…あぁ…」
桐山のペニスがゆっくりと自分の体内に入ってくるのを感じ、出来るだけ体に力を入れないように息を吐きながら
それを根元まで受け入れる。
最初は充を気遣うように、桐山は控えめに腰を動かした。
「イッ…あ、あぁ…んっ…や、やだぁ…」
それでも充には刺激が強いようで、シーツをギュッと握り締めながら嬌声を上げる。
そんな充を見ていると、桐山はセーブが効かなくなってしまい自然と腰の動きが早くなっていった。
少しでも楽になる為に、充は桐山の腰の動きに合わせて自分の腰を動かす。
二人の動きが少しずつシンクロしていくのに比例して、二人の快楽も高まっていく。
「ふぅっ…はっ…」
「あぁ〜っ、あぁ、あっ!」
部屋の中には、二人の喘ぎ声と結合部から漏れるくちゅっ、にちゃっという厭らしい水音と、
パンッ、パンッと肉と肉がぶつかり合う音だけが響いていた。
「ボス…だめ…イッちゃう…も、イッちゃう…」
「俺もだ…充、一緒に…アッ…」
「ボス…っぁ、はぁ…んぁっ…っく、いっ…ぅぁ…ぁ、ぁあーー!!」
「くっ…ぅあ…っ!!」
充の小振りなペニスからビュッ…ビュッ…ビュッとシーツに精液が放たれるのとほぼ同時に、
桐山のペニスから放たれた精液が充の中を満たしていった。
桐山は充の中に全て注ぎ終えると名残惜しそうにペニスを引き抜き、体に力が入らなくなりシーツに
倒れこんでぐったりしている充を抱き起こすと、涙の滲んだ目の端や頬にたくさんのキスを落とした。
充は荒く息を吐きながら、桐山の唇が自分に触れる度に幸せそうな顔をして微笑んでいた。

事が終わり、後始末を終えた二人はベッドに横になり身を寄せ合っていた。
「おやつの時間なのに、エッチしちゃった」
桐山の胸に顔を埋めながら、充が恥ずかしそうに小さな声で言った。
「美味しかったよ」
桐山は充を優しく抱き締めると、充の耳元で囁く。
すると充は耳まで真っ赤になって桐山にギュッと抱きついてきた。
そんな充をあやすように、桐山はポン、ポンと背中を軽く叩く。
「ボス…あのね…」
「ん? 何だい?」
「俺…ボスのおやつ代わりでもいいから…俺の事いっぱい食べていいから…だから、これからもずっと
ボスの傍に置いてね」
桐山の腕の中で、潤んだ瞳で上目遣いに桐山を見つめる充。
「充はおやつ代わりなんかじゃないよ。俺の、大事なパートナーだよ。これからもずっと俺の傍にいてくれ」
「ボス…大好き! ずっとずっとボスの傍にいる!」
目に嬉し涙を滲ませながら、充は先程よりも強く桐山に抱きついた。
桐山も充の体を強く抱き締める。
こんなに素敵で自分をたくさん愛してくれるご主人様に出会えた事を、充は幸せに感じていた。

+ + + + + +

私の誕生日にミヤコさんから充とボスのイラストをいただいたので、こちらもお返しにミヤコさんの誕生日には
桐沼SSを贈らせていただこうとネタを考えていました。
その当時、ミヤコさんがサイトのお絵描き掲示板で描かれたわんこ充が物凄く可愛くて、そして創作意欲が
湧いてきて、その絵をイメージしたシーンが入った小説を書く事に決めたんです。
ちなみにそのシーンは「一糸纏わぬ姿にされてしまった充は、慌てて毛布で下半身を隠し恥ずかしそうにしている」の部分です。
このシーンをイメージする元となったミヤコさんのイラストを、今これを読んで下さっている閲覧者様にお見せ
出来ないのが非常に残念です(ミヤコさんのサイトに通われてた方は見た事あるかもしれませんが…)。
ドーナッツは、本文中では書いてませんが皆様の考えている通りミスドのドーナッツです(笑)
背景の写真素材も、素材サイトさんでミスドのドーナッツの写真をいただいてきました。
本文中で二人が食べているドーナッツはミスドのサイトの商品一覧見ながら、「出来るだけいろんな種類のが
いいよなー」と思いつつ、どれにするか決めてました。
パラレル物なので、充がいつもより幼くなってますが(え? いつもとあんまり変わらない?(苦笑))、動物耳
バージョンの時は等身も低く、中身も幼児〜小児のイメージで考えてます。



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